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編集者にマンガの原稿をなくされた赤塚不二夫が発した言葉とは?

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『壁を越えられないときに教えてくれる
一流の人のすごい考え方』
(西沢泰生著/アスコム刊)
 新年度がスタートして早くも2カ月。4月に部下や上司が替わったり、部署が変わったりした人は、新しい環境にも慣れ、だいぶ落ち着いてくる時期だろう。そんな時期だからこそ、「今年こそは、もっと仕事がデキるようになりたい」「人付き合いがもっと上手になりたい」と気持ちを新たにする人も多いかもしれない。そこで書店に行くとついつい買ってしまうのが、ビジネス書の中でも「自己啓発」と呼ばれるジャンル。

 どの本も工夫があり、それなりに読みやすい。書いてあることはだいたい正しく、納得はいく。「ポジティブになれ」「目標を持て」「お客様の気持ちになって考えろ」など、どれも正論だ。

 しかし、読んでいる時はそれなりに気持ちが高ぶるのだが、読み終わると内容なんてきれいさっぱり忘れてしまうことが多い。それゆえ、読んだことはほとんど実行に移せないのが現実だろう。

 そんな数多ある自己啓発本の中の1つ、『壁を越えられないときに教えてくれる一流の人のすごい考え方』(西沢泰生著/アスコム刊)という長いタイトルの本が、売れているという。クラフト紙にタイトルがデカデカと書かれた表紙にインパクトがあるが、職場の飲み会でのちょっとしたゲームなどで重宝されるケースもあるようだ。

 まず、本の帯に書いてある次の一言が気になってしまう。

「編集者にマンガの原稿をなくされた赤塚不二夫が発した言葉は?」

「編集長を呼べ!」「この連載をおりる」「締め切りを延ばせ」などという言葉しか思い浮かばないが、正解は、

「まだ少し時間がある。呑みに行こう」

というものだ。

 この正解は帯の裏側に書いてあるのだが、帯には続けて「この真相は、本書の中に」とある。そこで本書の中身を確認すると、こう記載されている。

「人間、完璧な人なんていないのですから、誰でもミスを犯します。本当に優しい人とは、誰かが失敗した時や、トラブルが起きた際にも周囲を気遣うことができる人なのです」

 思わず納得。恐らくありがちなビジネス書だと「周囲を気遣い、相手の気持ちになって考えよう」くらいに、さらっと書かれるレベルだろうが、これでは当たり前過ぎて頭に残らない。それゆえ、本に書かれた教訓を実践で生かせないのだ。

『壁を越えられない〜』の特徴は、クイズ形式で教えが説かれている点だ。ほかにも

「イチローが嫌いな言葉は?」
「帝国ホテルのバーテンダーが2杯目のグラスをどこに置くか?」
「絵の値段が高いと言われたピカソはなんと言ったか?」

など、気になるものばかり。

 ちなみに、この3つの問いの解答から得られる教訓は、

「他人の評価に惑わされてはいけない。信じるのは自分自身だ」
「『その人オンリー』のサービスが究極のもてなし」
「圧倒的な積み上げは、圧倒的な自信につながる」

というものだ。こうした「問題-解答」が40個ほど紹介されている。

 結局、読者は教訓そのものよりも、「赤塚不二夫の話」「イチローの話」というかたちで記憶に残ってしまう。しかし、このほうがかえって教訓を簡単に思い出せて、仕事やプライベートの現場ですぐに生かせるのかもしれない。

 ちなみに、この本の著者である西沢泰生さんは、テレビ番組『パネルクイズ アタック25』(朝日放送)で優勝したり、『アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ系)で準優勝というクイズ王だ。この本がクイズ形式なのも、豆知識が満載なのも、思わず納得してしまう。
(文=編集部)