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反応さまざまなあのニュースをどう読む? メディア読み比べ(6月9日)

ドコモの「音声通話定額制」は内部のリーク? それとも日経“恒例”の飛ばし記事?

文=blueprint
post_2282.jpg通話料定額はおいしいけどなぁ。(「ドコモHP」より)

 日本経済新聞が7日の朝刊で、「ドコモ、音声通話に定額制 14年度メド月1000円軸」という見出しで、NTTドコモが業界初の音声通話定額を検討していると報じた。

 「他社の携帯電話や固定電話にかけても一定料金で話し放題とする方針」「現在の標準的な利用者にとって定額料金は、700円前後安くなる見通し」などと伝えられ、他社の追随も含めた“音声通話定額時代”への突入に期待する声も上がった。しかし、NTTドコモは同日、「当社が発表したものではございません。また現時点において、決定した事実はございません」と否定。ITmedia Mobileによると、同社広報部は「検討も始めていない」としているようだ。

 一連の報道を受け、ネット上では「ドコモ内部のリークによるものなのか」「単に日経の飛ばし記事なのか」と憶測を呼んでいる。

 週刊ダイヤモンド(5月25日号)に、この問題を考えるひとつのヒントになりそうな特集が掲載されている。特集『経済ニュースを疑え!』では、日経のリーク依存体質が暴かれており、「企業がリークのための企画書を作成」「日経新聞がスクープとして記事化」「企業が否定→当日午後に正式発表」などの工程表も明かされた。「うちの投資・財務面は、主として決算情報の前打ち記事を載せるために存在しているといって差し支えない」という日経記者のコメントも紹介され、週刊文春が「看過できない」としてこの記事を取り上げるなど、話題を広げている。

 これが事実であれば、今回の報道に関しても、NTTドコモがユーザーや市場の反応を見た上で、報道を追認するかたちで「音声通話定額」を発表する可能性が残されているかもしれない。

 一方で、日経新聞は2011年、2012年と「ドコモ、iPhone参入」との誤報を飛ばしているという“前科”があるため、「今回も飛ばし記事だろう」という見方も根強い。

 5月10日にJ-CASTニュースが掲載した『日経の「特ダネ」は信用できるのか』と題する記事で、東京スポーツのツイッター公式アカウントに「ドコモiPhone参入を否定された日経について『東スポ並み』とか言われ複雑。うちなら『ドコモ iPhone獲得のため霊媒師使いジョブズ氏と会談』ですよ」(11年12月1日)、「ドコモiPhone導入へと再び書いた日経について『東スポ並み』とか言われ複雑。同じネタの使い回し、うちはありません。やるなら『ドコモ iPhone導入のためiPS細胞使ったジョブズ氏クローンでApple説得へ』ですよ」(12年12月7日)と、度々揶揄していることを伝えている。“天下の日経新聞が東スポにバカにされる”という構図が受け、ネットユーザーにネタにされているようだ。

 とはいえ、市場に対する影響力の高い日経新聞のこと、グループ内の通信社・日経 QUICKニュースが7日、「NTTドコモが反落 定額制は短期的にマイナスの声」と報じているように、今回の報道も株価に影響していると見られる。同記事によれば、市場では音声通話定額制導入の報道を受け、「実質的な値下げになるため、短期的な収益にマイナスに働く」(松井証券の窪田朋一郎マーケットアナリスト)との指摘が出たそうだ。

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総合カルチャーサイト「Real Sound(音楽・映画・テック・ブック)」の運営や、書籍や写真集の発行、オウンドメディアの制作支援など“編集”を起点に様々な事業を行っている。
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