iPhone 5sは、世間で賛否両論のようだ。ある人はiPhone 5と代わり映えしないと言い、ある人は素晴らしいと言う。iPhone 5は、徹夜で並んで発売当日に購入しなければ、長い間購入できないような状況だったが、今回は色にこだわらなければ、行列に並ばなくても購入できたのがいつもとは違う。
●iPhone 5sで変わらなかったディスプレイサイズ
多くの人々が、次世代iPhoneではディスプレイが大きくなると予想していた。これは最近のライバルプラットフォームであるAndroidの動きを見て、ある種の希望であったといえるだろう。
当初はiPhoneと大差ないディスプレイサイズで登場したAndroidスマートフォンだが、サムスンの5.3インチディスプレイ搭載のGALAXY Noteのヒットから、大型ディスプレイ搭載機が増えていき、今では5インチフルHD(1920×1080ドット)がハイエンド端末のスタンダードとなっているのが現状だ。これによって表示できる情報量は増し、情報の視認性も大きく増した。
これに対して、iPhone 5のディスプレイサイズは4インチ、1136×640ドット。サイズと表示できる情報量はAndroidに大きく引けを取ることになる。多くのiPhoneユーザーが、Androidのようにディスプレイを大型化、高解像度化してほしいと考えても不思議はない。
●サイズにこだわるジョブズ哲学
アップルがディスプレイサイズにこだわる理由は、iPhoneというものが単に機能だけで成り立っているわけではなく、そのサイズを含めた「道具」であるためだろう。かつて、スティーブ・ジョブズ(前CEO)は「片手で楽に操作できなくなるから」と、iPhone 4Sの3.5インチディスプレイをサイズアップすることすら否定していた。iPhone 5は4インチディスプレイを搭載して若干拡大したが、5sが出た現在でも、いまだにiPhone 4sが販売されているのは、このサイズ問題だと思う。
最近の5インチ級のスマホは、手の小さな日本人では、すべてのアイコンに片手で指を届かせるのは難しく、メーカーもそれを意識してか、画面を下げる機能などを搭載しているが、サイズが小さければそんな機能を使わずとも、スピーディに操作できるのはいうまでもない。