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ワタミとユニクロ、ブラック企業との批判者に警告文~広がるブラック企業ビジネスの実態

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 例えば介護業界の場合、1年以内の離職率がじつに17%にも及び、業種そのものがブラックと見なされて人手不足が深刻化しているが、人材紹介会社幹部は実情を次のように説明する。

「離職率が17%を下回っていれば業界平均以下だから問題視するほどではない、と軽く考えている介護事業者が多い。雇用に関しては『この業界はこんなものだ』と思考停止状態に陥っているところも少なくない」

 また、介護業界関係者によると「年間離職率が20%を超える事業所と、数は少ないが5%程度の事業所に二極分化している」という。労務環境を整備している介護事業者にとっては、同業のブラック事業者の存在によって業種自体がブラック視されている現実は迷惑千万だろう。

「ひとつの業種にブラック企業が数多く存在する限り、健全な経営で収益を上げている企業も、社員を使い潰して収益を上げている企業と同一視されかねない。経団連など経済界には、積極的にブラック企業問題に取り組んでほしい」(今野氏)

 では、なぜ一部の企業は、労務知識やコンプライアンス意識が欠如しているとしか思えないようなブラック体質に染まってしまうのだろうか。

「社員を圧迫して使い潰すことで利益を上げてきた経営者は、それが当然の経営方法だと思っている。良し悪しという価値判断でなく、当然と思っているのだ。そうした経営者は、圧迫した結果、社員が鬱病になっても仕方がないと平然と受け止めているし、健康を害するのは社員の自己責任とも考えている」(同)

●広がるブラック企業ビジネス

 そしてここ最近、ブラック企業問題は一部の弁護士や社会保険労務士のビジネスチャンスになりつつあることが、さらに問題を深刻化させているという。その実態は前出の『ブラック企業ビジネス』に詳しいが、特に目立つのが、弁護士の次のような行為だという。

(1)ブラック企業から相談を受けると、解決までの時間をいたずらに長引かせる(時間で稼ぐ)
(2)企業との打ち合わせや団体交渉に弁護士1人が出席すれば済むところを、複数人で出席する(頭数で稼ぐ)
(3)1枚でも多く書類を作成する(文書作成費で稼ぐ)
(4)無理な主張でも、無理に訴訟を起こさせる(訴訟費用で稼ぐ)
(5)社員に対する経営者の敵愾心をあおって、問題を大きくしたがる(報酬全体を増額させる)

 企業の代理人で豊富な実績を持つ、労務問題に強い弁護士は「労務トラブルは、おおかた金銭で決着がつく。企業側はさっさと払うものを払って決着したほうが、弁護士費用を含めて最小限のコストで済む」と説明するが、それでは弁護士にとって美味しい案件にはならないのだ。

 こうした“ブラック弁護士”増加の背景について今野氏は、「弁護士が稼げなくなったからブラック化したというよりも、職業倫理を失って儲け主義に走る風潮が強くなったことが背景にある。良識派の弁護士が音頭をとって、弁護士会で改善に取り組んでほしい」と語る。

 ブラック企業やブラック弁護士の被害に遭わないために重要なことは、そうした企業への入社を回避することである。よって、就職・転職活動においては、可能な限り希望企業の情報収集に努めることが望ましい。
(文=編集部)

【ご参考】
ブラック企業の見分け方
今野氏と人材コンサルタント・常見陽平氏、法政大学キャリアデザイン学部教授・上西充子氏が大学生向けに作成した