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●「外国から日本株が注目されている」という根拠は1年前のデータ
今回の特集で異議を唱えたいのは、特集記事『プロローグ 日本株はまだ「買い」か』にある14年、年明け後の海外の投資家の動きに関する説明だ。
年明け後の株価下落は、13年に約15兆円も日本株を買い越した外国人投資家が、14年明けには利益確定のための売りに転じたため、と見られていた。しかし、海外の機関投資家は日本株の買い増しに動いているという。
記事では「ノルウェー政府年金基金が保有する主要な日本株のリストにおける12年12月末時点の保有株の評価額を見ると、ほとんどの銘柄が前年より増えている。(略)11年12月末と比べて株価が大きく上がったことも影響している」などと説明しているのだが、株の買い増しの根拠となる数字が「13年12月末」ではなく、「12年12月末」のもの、なんと1年前のデータなのだ。1年前といえば、アベノミクスに沸き、株式相場は外国人投資家だけでなく全体が上り調子だった頃だ。その時点のリストを基に、外国人投資家は今年も日本株を「買い」傾向だと判断するのは、楽観的すぎるのではないだろうか。
(文=松井克明/CFP)
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