ペプシNEX ZERO(サントリー)のCM「桃太郎 Episode.1」(Long ver./「YouTube」より)
動画URL http://youtu.be/vICD57aC7Ow
桃太郎といえば、キジ、サル、イヌとキビ団子で鬼退治……と、日本人ならだれでも知っている昔話だ。
そんな桃太郎の既成概念を打ち破るテレビCMが話題となっている。それがこのサントリー「ペプシNEX ZERO(ペプシネックスゼロ)」のCMだ。
俳優・小栗旬が演じる桃太郎のあまりのイケメンぶりとCMの壮大な世界観に、オンエアされるやいなや、インターネットを中心として、「ハリウッド映画みたい」「小栗旬がカッコよすぎてつらい」「映画化してほしい」と大評判になった。
CMのストーリーはこうだ。第1弾「桃太郎 Episode.ZERO」では、巨大な鬼の襲来におののき、なすすべもない村の人々を救うため、一人の若者・桃太郎(小栗旬)が立ち上がる。桃太郎は旅の途中、キジ、サル、イヌを仲間にし、鬼ヶ島へ向かう。
仲間とともに砂漠を馬でさっそうと駆け抜けるシーンが印象的なこの「Episode.ZERO」は、同社のプレスリリースによると、無料動画サイト・YouTube上で120万回以上も再生されたそうだ。
そこで今回、この大人気CMの裏側を探るべく、発売元のサントリーに動画制作の狙いと、気になる今後の展開について聞いた。
桃太郎動画制作の狙い
古今東西さまざまなヒーローがいる中で、なぜ桃太郎なのだろうか?
「日本人の誰もがよく知るお話の主人公であり、また、桃太郎が自分より強いものに立ち向かっていく姿が、ペプシブランドが大切にしているチャレンジ精神に通じると感じたからです」(広報担当者)
5月10日からオンエアされている「Episode.1」では、仲間に出会う前の桃太郎の姿が描かれている。桃太郎は一人で果敢に鬼退治に挑むも鬼は想像以上に強く、あっさり敗れてしまう。そこで桃太郎は、剣の達人・宮本武蔵を訪ね、剣の修行を積む。やがて、武蔵と互角に戦えるようになった桃太郎に、武蔵は1本の剣を授ける。
桃太郎がカッコよすぎる上に、歴史上に実在した剣豪の宮本武蔵まで登場し、さらにカオス感が強まった同CM。加えて、「Episode.ZERO」にちらりと登場していた、これまたカッコよすぎるビジュアルのキジ、サル、イヌの動向にも注目が集まっている。
気になる今後の展開について質問すると、「それは乞うご期待ということにしてください」(同)とかわされた。さすがに注目を集める人気CMだけあって、ガードが堅い。
ただ、「おかげさまで話題のCMとしてニュースに取り上げていただくことが多々あり、それらの記事は拝見しております」(同)とのことなので、ネット上でラブコールを続けていれば、ファンの熱い想いに応えてもらえるかもしれない。
「ペプシNEX ZERO」のCMといえば、この桃太郎編とともにオンエアされている、ライバルの「コカ・コーラゼロ」との飲み比べ結果を発表する「飲み比べ編」も、ネット上では「かなり挑戦的だ」などと反響は大きい。
日本ではあまりなじみがない広告手法ではあるものの、アメリカではペプシはこれまでも頻繁にコカ・コーラとの比較CMを行っている。インパクト大のCM戦略は、同ブランドの伝統ともいえる。
「Forever Challenge/自分より強いヤツを倒せ。」というコンセプトを掲げ、果敢に挑み続ける同ブランドのCMに今後も注目だ。
(文=降旗愛子/株式会社デファクトコミュニケーションズ)