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ゴルフ場最大手アコーディアとPGM、異例尽くしのM&A死闘が最終局面 真の勝者は?

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アコーディアグループ・房州カントリークラブ(「Wikipedia」より/Takkitakitaki)
 ゴルフ場保有・運営1位のアコーディア・ゴルフと同2位のPGMホールディングスの壮絶バトルは、最終局面を迎えた。アコーディアは焦土作戦に打って出た。ゴルフ場を売却することでPGMによる買収意欲をそぐのが狙いだ。国内のM&A(合併・買収)で、こうした焦土作戦が採られるのは初めて。

 アコーディアは6月27日、東京都内で定時株主総会を開いた。質問に立ったのは、レノら4グループの代表者である三浦恵美氏。村上ファンドと呼ばれたM&Aコンサルティングを率いる村上世彰氏の側近だった人物だ。C&I Holdings、レノ、南青山不動産、シティインデックスホスピタリティは、4グループ合わせて24.2%を保有するアコーディアの筆頭株主であり、アコーディアとPGMの泥沼化したバトルのキャスティングボートを握っている。

 パチンコ・パチスロ大手である平和の子会社、PGMとアコーディアの壮絶バトルの第1ラウンドは、12年6月28日に開催されたアコーディアの株主総会で展開された。プロクシーファイト(委任状争奪戦)によって、一日では議案の可否が判明しないという異例の事態となった。2日間に及ぶ前代未聞のマラソン総会の結果、アコーディア側が勝利した。

 第2ラウンドは、PGMによるアコーディア株のTOB(株式公開買い付け)。買い付け期間は12年11月15日から13年1月17日までで、この時にレノが参戦した。大量の株式を買い占めてキャスティングボートを握ったレノは、(1)PGMの経営統合に向けた交渉の場に着くこと、(2)自社株買いを行うこと、を要請する書簡をアコーディアに送り、TOBの期限である1月17日の正午までに回答を求めた。イエスならPGMのTOBにくみしないが、ノーならTOBに応募するという内容だった。アコーディアの回答はイエス。レノはTOBに応募せず、TOBは成立しなかった。しかし、PGMによるTOBは逃れたものの「PGMとの経営統合の交渉のテーブルに着くこと」と「自社株買い」という重い宿題が残った。

●異例の焦土作戦

 そこで、アコーディアはゴルフ場を切り離す焦土作戦に出た。保有する133コースのうち90コースを特別目的会社(SPC)に売却し、SPCへの売却額は1117億円。SPCはゴルフ場の持ち分をシンガポールで組成するファンド、ビジネス・トラスト(BT)に譲渡。BTはシンガポール証券取引所に上場する。同時に大和証券グループの大和PIパートナーズから新株予約権付ローンで200億円を調達する。大和PIは普通株に転換してアコーディア株式の16.75%を保有することになる。ゴルフ場の売却と大和PIから調達した合計1300億円以上の資金を使い、アコーディアはBTに25%出資するほか、自社株のTOBを行う。買い付け価格は1株当たり1400円で、発行済み株式の30.5%に上る大掛かりなものだ。自社株の取得に450億円以上を投じる。

 ゴルフ場を切り離すことで、PGMに買収をあきらめさせるのが狙いだ。レノには自社株買いに応じてもらう。そして、アコーディアは大和証券グループの傘下に入るというシナリオだ。今年の株主総会では、ゴルフ場売却の可否が問われることになった。