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好調なスタバとコカ、苦境のマック、何が明暗分けた?カギは消費者との社会貢献体験の共有

構成=編集部

 ここ数年、コーヒー業界は激しい争いが繰り広げられている。喫茶店ではコメダ珈琲店、星乃珈琲店などのフルサービス型店舗が急成長し、ドトールコーヒーショップ、スターバックスコーヒーなどのセルフサービス型店舗を脅かす存在となってきている。また、ファストフード店やコンビニエンスストア各社も高品質で格安なコーヒーを打ち出し、売り上げを伸ばしている。

 そんな激戦のコーヒー業界、そしてコーヒー飲料をはじめとする飲料業界の勝ち組企業にはある共通点があると語るのは、元日本アイ・ビー・エムのソフトウェア事業部SWGイネーブルメント部長で、現在は永井オフィス代表を務める永井孝尚氏だ。永井氏は7月に上梓した『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』(KADOKAWA/中経出版)の中でさまざまな事例を紹介・分析しつつ「コーヒー業界はビジネス戦略の宝庫である」と明かしているが、今回はそんな永井氏に

・マーケティング3.0とは何か
・企業に求められる社会貢献とは
・日本コカ・コーラとスターバックスコーヒーは、なぜ消費者に支持されているのか
・日本マクドナルドが再建するためにはどうすべきか

などについて話を聞いた。

–本書を執筆された経緯についてお聞かせください。

永井孝尚氏(以下、永井) 私が30年勤務した日本アイ・ビー・エム在籍中に執筆した『100円のコーラを1000円で売る方法』シリーズの舞台はIT業界でした。このシリーズをお読みになったUCCから講演を依頼されたことをきっかけに、コーヒー業界を知る機会を得たのです。そしてコーヒー業界は非常に奥が深く、ビジネス戦略の宝庫であることを知りました。

 昨年10月頃から『100円コーラ』シリーズの続編の企画を編集者2人と議論し始めたのですが、なかなかアイデアがまとまらない中で、コーヒー業界で学んだことをお話ししました。すると2人の編集者とも「コーヒーは、まさに今が旬のテーマ。しかも、すでに材料があり、事例もまとまっている」と判断してくださり、コーヒー業界を題材に、ストーリー形式で執筆するという方向で企画がまとまりました。それから半年以上をかけ、理論の裏付けとコーヒー業界の事例を整理して書き上げました。

0629_sinkanjp.jpg※画像:『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』著:永井孝尚 刊:KADOKAWA/中経出版

–本書のテーマである「マーケティング3.0」の成否は、何によって決まるのでしょうか?

永井 モノ不足で作れば売れた時代に、『この製品を作って売ろう』と考えたのが「マーケティング1.0」。豊富な時代になって洗練された消費者に「消費者を満足させよう」と考えるのが「マーケティング2.0」。しかし消費者はさらに進化して、お金を使う意味を考えるようになりました。そこで「世の中をよりよい場所にしていこう」という考え方が「マーケティング3.0」です。ということは、企業の社会貢献に対する姿勢が問われるのですが、そもそも企業の目的は社会貢献にほかなりません。

「経営の神様」といわれるパナソニック創業者の松下幸之助翁は「利益追求が企業の最大命題ではない。企業に大きな利益が与えられるのは、さらに大きな社会貢献を為せとの世の声だ」と説いています。世界で最新のマーケティング理論が、日本企業の伝統的な考え方を取り入れ始めた象徴のひとつが、マーケティング3.0であるといえます。

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