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ソニー、なぜ復活できない?見えない脱出への経営戦略 ヒントは好調デバイス事業か

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ソニーの製品(写真/田中まこと)
 10月31日、ソニーが発表した2014年度中間決算は4年連続の赤字となった。4-9月期の赤字額は1091億円、14年度通期(15年3月期)決算でも2300億円の赤字が見込まれている。足元の経営内容や業績を見る限り、ソニーが短期間のうちに黒字企業に回帰できるとは考えづらい。

 すでに米ヘッジファンドのサード・ポイントはソニーに対する投資資金を回収し、利益を確定したと報道されている。視点を変えれば、投資を続けても、より高いリターンは期待できなかったともいえる。筆者の知人のファンドマネージャーも、ソニーには経営戦略の明確な方向性が見いだせないと話すが、ここにソニーの抱える最大の問題がある。

 ソニーは米GEのようなコングロマリット企業を目指し、金融、エンターテインメントなどを展開してきた。個々の事業でのノウハウや組織に対する従業員のロイヤルティが醸成できなければ、クリエイティブなサービス、プロダクトを世に送り出すことは容易ではない。今のソニーは、一体感のないままに各事業が乱立しているような印象すら与える。

●技術力の優位性を示す分野も


 今回の決算を見ると、スマートフォン事業の不振が目立つ。当初5000万台とされていた販売計画は、4100万台に修正された。また、中国市場での苦戦を受けて中国専用モデルの打ち切りも発表された。ソニーのシェアを前提にすれば、今後もスマートフォン事業は苦しい戦いを強いられる可能性が高い。

 一方、デバイス事業など、収益を上げている事業があることも事実だ。デバイス事業はソニーの技術力の優位性を示す分野だろう。自社のスマートフォン事業の不振とは裏腹に、デバイス事業は世界的なスマートフォンの普及を追い風に収益を上げた。13年のイメージセンサー市場のシェアを見ると、ソニーは世界で3割以上のシェアを誇る。この分野でソニーは高機能を差別化要因にしており、さらなる技術開発は同社の競争力を高めるだろう。

●問われる明確な指針


 創業時、ソニーは技術者の創意と工夫を最大限に発揮させることを目指していた。デバイス事業の収益は、こうしたDNAを示す一つの例だろう。ただ、企業全体で見ると金融業が収益の根幹を支える一方、今のソニーの経営戦略には、最高のモノづくりを目指す姿が見いだせないのである。

 ソニーが世界の脚光を浴びる企業として復活するためには、選択と集中が必要だ。問題は、収益を支えている金融業をどう扱うかだ。黒字を確保している以上、金融業を切り離すことは現実的ではない。同時に、その判断がモノづくりを目指す企業文化と100%マッチするのか、先行きは非常に不確かだといえる。