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疑惑上場gumi、再び裏切り 上場企業としての適性に疑問広がる 横領や早期退職も

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國光宏尚・gumi社長のTwitter
 今期こそ業績回復に進むはず――と期待した投資家を裏切る内容となってしまった。先ごろ発表された、ゲーム開発会社gumiの決算のことである。

 gumiは昨年12月に東証1部市場に直接上場(IPO)した業界のホープだったが、今年3月に15年4月期業績の大幅な下方修正を発表し、投資家を失望させた。同期の営業損益は上場時13億2900万円の黒字予想だったのが一転、4億円の赤字となる見通しになった(実績は4億円の黒字)。株価は連日のストップ安に売り込まれた。

 gumiはIPO時に公募・売り出しで1100万株以上を投資家に買われており、損失を出した投資家は多数に上る。さらに市場では、同社は昨年12月18日の上場時に業績悪化を把握していたのではないかとの疑念も浮上し、株価は大幅安に売り込まれた。

 今年3月に第3四半期決算を発表した際に國光宏尚社長は、2月に入って主力のタイトル『ブレイブ フロンティア』(ブレフロ)、パブリッシングサービス(他社が開発したゲームをgumiの海外拠点を使って提供する)の立ち上がり遅延がわかった、などと釈明したが、ディスクローズ(情報開示)姿勢が問われることになった。一方で國光社長は会見で「やるべきことはわかっている。来期(16年4月期)の業績回復で期待に応えたい」と釈明した。

 ところが先日発表された決算では、16年4月期の第1四半期(5~7月)の営業損益が11億円の赤字になるとの計画が明らかにされた。ブレフロ日本語版の売り上げが前四半期比25%減少するほか、海外言語版も同20%の減少見込み。MAU(月次アクティブユーザー数)の減少が要因としている。

 16年4月期通期業績の予想はゲームのヒットなどの予想が難しく算定が困難とし、開示を見送った。國光社長は会見で、「第2四半期~第3四半期にかけては新作のゲームのローンチ(発売)が続く」と業績の回復を示唆したという。しかし、3月時点の「業績回復で期待に応えたい」との発言からは大幅にトーンダウンしており、事業環境が厳しくなっていることが明らかだ。予想は慎重で、先が見えるようになれば通期業績予想を開示するとはしているものの、目先の業績はむしろ下方屈折している感すらある。当然ながら、発表後に株は売られている。

他のIPO予定企業にしわ寄せ


 gumiは業績以外にも、今年1月に運転資金として30億円もの銀行借り入れを行ったことについて開示遅延との批判を呼んだ。さらに、韓国子会社での横領発覚、上場直後の希望退職者募集(64名が退職)などが明らかになり、IPO時やそれ以降の上場企業としての適性が問われるような問題が相次いでいる。幹事証券である野村証券の責任を問う声もある。

 証券界では当初、今年のIPOは100社を超えるとの見方が大半だった。13年の54社から昨年は77社に増加し、勢いがついてきていた。

 しかし、gumiの情報開示が社会問題化する中で、東京証券取引所や証券会社がIPO候補企業の財務チェックを厳格化し始めている。この結果、今年のIPOは前年並みか80社前後にとどまるとの指摘もある。gumiのおかげでIPOが延期になったり、仕切り直しになった企業があるとみられている。
(文=編集部)