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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

ディズニーR、“殿様商売”でも9割リピートの謎 裏に莫大なコスト&安売りできない宿命

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東京ディズニーリゾート(「Wikipedia」より/Mekarabeam)
 長期の景気低迷による個人消費の低下や、娯楽の多様化の影響で、近年、経営悪化や閉園に追い込まれるレジャー施設が増えている。しかし、そんな時代でも入場者数を維持どころか増加させているのが、東京ディズニーリゾート(以下、TDR)とユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)だ。

 USJの入場者数は、開園した2001年度の約1103万人から、14年度は約1270万人に増加している。TDRは、開園した1983年度の約993万人から、14年度には約3138万人(東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの合計)にまで上昇している。

 このような好成績の裏には、どういったマーケティングがあるのだろうか。立教大学教授・有馬賢治氏はこう分析する。

TDR成功の秘訣は、情報量と高品質のサービス


「まずTDRにいえるのは、約90%ともいわれる驚異のリピーター率によって人気が支えられている、ということです。なぜそんなにリピーターが多いのかというと、ひとつ目に『過剰情報の提供』があります。敷地の広さやアトラクションの多さから、一度行っただけではディズニーの世界を味わいきれず、『再び来たい』という気持ちにさせているのです。何度か行って、すべてを回れたとしても、“隠れミッキー”の存在など、園内には小ネタ的要素が張り巡らされており、何回行っても飽きさせない演出がされています。マーケティング的に見ても『追い切れないほど、情報をあふれさせる』という手法はとても有効です」(有馬教授)

 だからこそ、TDRには、決して安くない年間パスポートを所有するファンがたくさんいるのだろう。

「そして、もうひとつが『ハイレベルなサービスの徹底』です。キャストが非常に訓練されているだけでなく、目につきにくいアトラクションの細部にいたるまでディズニーの世界観がつくり込まれています。また、周囲の民家が目に入らないような設計の工夫や、商品の搬入は地下通路を使用するなど、夢の世界を実現するための演出が徹底しています。一点豪華主義的ではなく、どこを取っても、まるで老舗旅館のようなこだわりがあるのです。その一方、中学生だけでも訪れることができるような親しみやすさがあるのも、TDRの強みです。ディズニーというコンテンツがどの層から支持を得ているのか、という顧客をしっかりと把握した上での戦略でしょう」(同)