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武田哲男「伸びる企業 衰退する企業」

こんな営業マンはもういらない!ご用聞きでムダな訪問多い、有益な情報提供や提案ない

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「Thinkstock」より

顧客の不満は3つの“気”と2つの“資質”


 企業が自社の顧客に対して行う「不満足度調査」のフリーアンサー(自由記入欄)に記されている顧客不満を集計してみると、キーワードとしておよそ5つのポイントが浮上する。しかもこの鍵になる言葉は、バブル経済崩壊後、困ったことに年を追ってコンスタントに増え続けている。

「気づき」「気くばり」「気づかい」の3つの“気”と、「臨機応変」「機転を利かす」の2つの“資質”の合計5つがそれである。

 つまり「気づきがなさすぎる」「気づかいができない人が増えている」「気配りなんてほとんど感じられない」などが代表格。

 また、たとえば営業担当者などに対する顧客の声としては、「無機質なご用聞き営業は不要。お互いに時間のムダ。もっと物事に対して臨機応変にできないものか」「いざというときほど対応が悪い。もっと機転を利かせてほしい」といったところが典型だ。

 もう少し具体的な顧客の要望を挙げると、「情報」「企画」「提案」が浮き彫りになる。つまり訪問回数を増やすよりは、「役立つ情報を届けてほしい」「当社に対する企画の内容を充実させてほしい」「もっと頻繁に提案してほしい」などは常に上位を占めている。

「訪問回数が少ない」「価格が高い」の意味

 
 実は調査をすると、特にBtoB(企業間取引)で顕著な不満は、「訪問回数が少ない」である。そこで慌てて訪問回数を増やしても、相変わらず同じことを言われる。ところが情報提供や企画の提案などを行うと、訪問回数の不満がほとんど見られなくなることが実験により明らかになっている。つまり顧客が表明する訪問回数とは、情報・企画・提案に対する要望であることがわかる。

 一方、調査を行うと、必ず商品・サービスの「価格が高い」といった顧客不満が浮上し、企業は慌てて価格を下げる。

 実は、これは最悪のパターンである。

 というのも、ひとたび価格を下げるとあとで付加価値向上を図り価格改定を実施しても、相変わらず「高い」と言われてしまうからである。

 たとえばあるレストランに行ったときに「あの店は高い」と感じるのは、総体的な印象を意味している。そこで「あの店は安い」という評価を得るためには、店の臭い、雑な雰囲気、清潔感のなさ、感じが悪い対応、会話を邪魔する料理の説明、器と料理のアンバランス、BGMのミスマッチなどといった問題が解消されなければ、価格を下げてもまだ「高い」と言われ続けるのである。