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シャープ・鴻海連合誕生、サムスンら韓国企業を「破壊」か…アップル向け巨額取引を奪取も

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シャープの本社(「Wikipedia」より/Otsu4)

 日本の代表的企業ともいうべきシャープが、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業を中心とするフォックスコン・グループに買収される――。その衝撃は、韓国にも少なくない影響を与えている。というのも、鴻海によるシャープ買収が世界のディスプレイ関連市場に地殻変動を巻き起こす可能性があるからだ。

 ディスプレイ関連市場は近年、韓国企業の活躍が目覚しい。中小型有機ELパネルではサムスン電子が世界シェアの9割を占めているともいわれており、また大型液晶パネルにおいてもサムスン・ディスプレイとLGディスプレイが世界シェア1位を争っている。韓国企業が大手を振るディスプレイ関連市場において、シャープの技術力を獲得した中華圏企業はまさに脅威以外の何物でもないだろう。

 韓国企業が特に危機感を抱いているのは、液晶ディスプレイ(LCD)市場。シャープが保有する世界最大規模の10世代LCDラインである大阪・堺工場が鴻海に渡り、大型テレビ事業における優位性が確保されるからだ。シャープの10世代ラインは、韓国国内のサムスン・ディスプレイやLGディスプレイが保有する8世代より、60インチ台のテレビ用パネルにおいて2~3倍も生産性が高いという。

 また、サムスン電子とLG電子が悪戦苦闘する中国市場で、シャープが息を吹き返す芽が出てきたことも韓国企業にとって面白いことではない。これまでの経営難から解放されたシャープが、アリババをはじめとする流通会社とのパートナーシップを基盤に中国市場で復活する可能性があるわけだ。

 韓国の投資証券アナリストは、「今回の買収はサムスン・ディスプレイとLGディスプレイに、中長期的に否定的な影響を及ぼしかねない。シャープの技術力に加えて、台湾Innoluxの量産力、鴻海グループの資金力がシナジー効果を発揮すれば、ディスプレイ産業全体に大きな変化がもたらされるだろう」と分析する。中長期どころか、外国人投資家たちは現在LGディスプレイの株を手放しており、その売り越しは2月25日現在まで9取引日連続となっているそうだ。

 何よりも韓国が恐れているのは、鴻海の郭台銘会長が過去に「韓国企業の後頭部を打つ」という内容の発言をしていることだ。韓国の電子業界関係者は、「(鴻海の会長は)韓国企業に対する競争心に溢れる人物。今回の買収の条項の中に、シャープと鴻海の有機発光ダイオード(OLED)開発協力が明示されていたという点を勘案すれば、アップルに対する供給競争も激しくなる見通しだ」と話している。

 米アップル製iPhoneの2018年モデルが有機ELディスプレイを採用するとの報道があるなかで、ディスプレイの生産を担当するサムスンやLGは、合計1.5兆円規模の設備投資を行っているとされている。そんな“規定路線”にも今回の買収が影響を与えるかもしれないとの見方が広がっているのだ。

 いずれにせよ、今回の買収が最終的に実現すれば、鴻海は年間売上高20兆円に迫る世界最大級の電子企業となる。売上高規模だけを見ると、サムスン電子と対等な存在だ。韓国企業にとって驚異的な存在になることは間違いない。
(文=呉承鎬)