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デニーズ、2百店閉鎖していた!最近やたらと目にする、駅から遠くて高いカフェ急増の謎

文=谷口京子/清談社

 ファミリーレストラン大手・すかいらーくグループの「むさしの森珈琲」、デニーズを展開するセブン&アイ・フードシステムズの「白ヤギ珈琲店」など、最近、ファミレス業界が続々と「郊外型カフェ」をオープンさせている。

 郊外型カフェとは、一般的に街道沿いや駅から徒歩10分以上離れた場所に位置し、広々とした店内やこだわりのコーヒーの提供など、居心地の良さを追求したカフェのことを指す。

 スターバックス コーヒー ジャパンの「Neighborhood and Coffee」や、上島珈琲店などを展開するユーシーシーフードサービスシステムズの「MELLOW BROWN COFFEE」などが、それにあたる。回転率を重視した都心のセルフ式コーヒーチェーンとは発想が異なる業態で、外食業界で大きな注目を集めている。しかし、なぜ今ファミレスが郊外型カフェに参入しているのだろうか。

不振のデニーズ、200以上の不採算店舗を閉鎖

 むさしの森珈琲は、1杯ずつ抽出するハンドドリップでコーヒーを提供し、座り心地の良いソファを用意するなど、癒やしの空間を演出する。白ヤギ珈琲店は、ハンドドリップのコーヒーはもちろん、ラテアートやフードメニューの充実を売りにしている。

 各店舗によって特色は異なるが、郊外型カフェに共通するのは、東京・二子玉川、自由が丘、神奈川・武蔵小杉など、情報感度の高い地域に出店し、1000円以上の高い客単価を設定していることにある。

「各社とも、カフェ業態を始めたばかりなので、今はまだブランドイメージを固めている段階にあります。そのため、出店する“街の色”はとても重要です。特に、女性客をターゲットにする場合は街のイメージが重視される傾向があります」

 こう語るのは、フードジャーナリストの山路力也氏だ。実際、郊外型カフェには女性客をターゲットにする店舗が多く、セブン&アイは東京・世田谷区に「白ヤギ珈琲店 多摩堤通り店」をオープンする際、女性だけのプロジェクトチームを編成し、メニューや内装など、徹底した女性目線で店づくりを行ったという。

 山路氏によると、ファミレスが郊外型カフェを出店する理由のひとつに、ファミレス業界の売り上げ不振があるという。

「例えばデニーズの場合、この10年間で不採算店を200以上も閉鎖しています。その減収分を埋めるために、新たな業態の開発が必要となり、郊外型カフェが選択されたのです」(山路氏)

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