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起業→上場で巨額利益という成功モデルの終焉…株式公開直後に暴落続出

文=編集部
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起業→上場で巨額利益という成功モデルの終焉…株式公開直後に暴落続出の画像1「Thinkstock」より

 今年、新規株式公開(IPO)した企業の初値は伸び悩んだ。3月はIPOラッシュになり、3月18日には6社が一気に新規上場を果たした。一日のIPOの社数としては2007年2月以来、ほぼ9年ぶりの多さとなった。この日は3社の初値が公開価格を上回り、2社がマイナス、1社は同値だった。

 3月末までに上場した23社の成績を一覧表にしてみた。

 23社のうち初値が公開価格を上回ったのは16社、公開価格を割り込んだのは6社。公開価格と同じだったのは1社。いわば今年のIPOは「16勝6敗1分」、勝率は6割9分となった。つまり3割が公開価格割れという期待外れの結果で、4月1日の株価を見ると、上場後の株価はさらに低調であることが一目瞭然だ。

 初値が公開価格の2倍以上になったのは4社。初値上昇率が最も大きかったのはブログや情報サービスを手掛ける、はてなの3.8倍だ。一方、下落率が最大だったのは電子機器受託製造のユー・エム・シー・エレクトロニクスでマイナス17%。初値と公開価格がイコールだったのはFX(外国為替証拠金取引)事業のヒロセ通商だった。

 16年3月までの公開価格に対する初値の上昇率は45%。14年(通年で91%)、15年(同87%)と比べると、明らかに勢いがない。16年は年初からの相場下落でIPO銘柄を積極的に売買してきた個人投資家に投資余力がなくなったことが影響した。

はてなが人気のわけ

【初値が公開価格の2倍以上の4社】

※以下、銘柄(初値公開比上昇倍率)

・はてな(3.8倍)
・チエル(2.7倍)
・バリューゴルフ(2.5倍)
・アグレ都市デザイン(2.0倍)

 今年のIPO第1号のはてなは2月24日、東証マザーズに上場した。初日は取引が成立せず、上場2日目の2月25日に公募・売り出し価格(800円)の3.8倍にあたる3025円で初値を形成、一時は3355円まで上昇した。これが上場してからの高値である。4月1日の終値は165円安の2420円だった。

 今年最初のIPOとあって、過熱感があった。しかも、3月はIPOが相次ぐことから、次の銘柄に乗り換える換金売りが出て、その後は売り優勢。3月24日には1801円の上場来の安値をつけた。

 それでも、3月30日にソニーと共同でニュース事業を開始すると発表して株価は急反発。31日は一時、2776円となるなど値動きは荒い。同社は無料ブログ「はてなブログ」や情報共有サイト「はてなブックマーク」など、投稿データを扱う。ネット広告を収入源としており16年7月期の売上高は前期比35%増の14億円、税引き利益は92%増の1億500万円を見込む。2月24日に会見した栗栖義臣社長は、「毎年、売上高は3割、営業利益は15%伸ばし続けたい」と抱負を語った。

BusinessJournal編集部

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