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バカ高いクリスピードーナツ、店内閑散で閉店の嵐…ミスドと味は同レベルで値段は5割高

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
バカ高いクリスピードーナツ、店内閑散で閉店の嵐…ミスドと味は同レベルで値段は5割高の画像1クリスピー・クリーム・ドーナツ店舗(「Wikipedia」より/kici)

 行列ができるドーナツ店として名を馳せたクリスピー・クリーム・ドーナツ(以下、クリスピー)の閉店が相次いでいる。2015年11月時点で全国に64店舗を展開していたが、16年3月31日時点では49店舗にまで激減している。さらに2店舗が閉店予定だと報じられている。

 クリスピーは1937年にアメリカで創業した。06年にロッテが70%を出資し日本に上陸、東京・新宿サザンテラスに1号店をオープンした。その後、関東を中心に出店を進め、10年には名古屋、大阪、京都へと出店を拡大した。16年に日本上陸10周年を迎えることになるが、ここにきて店舗数を縮小する方向へ舵を切った。事業基盤の見直しを図るため閉店を進めるという。

 クリスピーは非上場企業で財務諸表を確認することができないため推測の域を出ないが、同社は経営状態が悪化している可能性が高い。同社は否定しているが、客数の減少は誰の目にも明らかだからだ。

 新宿サザンテラス店がオープンした当初は、連日行列が絶えなかった。しかし、ブームが沈静化するにつれて客足が遠のいていった。筆者は現状を確認するため、都内の数店舗を見て回ったが、どの店舗も閑散としていた。近隣のミスタードーナツ(以下、ミスド)と同時間帯で比較したところ、クリスピーの来店客数はミスドの6~7割程度であった。

 日本におけるドーナツ市場は縮小傾向にある。公開されているミスドの財務諸表を参考にしてみよう。ミスドの全国チェーン店売上高(国内)の直近5年間は、11年3月期が1198億円、12年が1147億円、13年が1111億円、14年が1030億円、15年が1020億円と一貫して減少している。コンビニエンスストアなど、競合とシェアの奪い合いが起きていることもひとつの要因といえなくもないが、市場環境が厳しいことは間違いないだろう。

差別化の失敗で客離れか

 差別化の失敗の影響も大きいと思われる。クリスピーは差別化としてミスドよりもやや高価格に設定している。ミスドの主要価格帯は税抜120~140円で、対してクリスピーは180~200円と40~50%程度高い。さらに14年4月から、一部のドーナツとドリンクを10円値上げした。ドーナツを3つ買うと600円前後、ドリンクを加えると800~900円になる。消費者の可処分所得が伸び悩む現在、気軽に利用できる金額とはいいがたい。

 高価格で販売するのであれば、それなりの理由付けがなければ消費者は買わなくなる。クリスピーの売りは、創業時から続く秘伝のレシピに基づく「オリジナル・グレーズド」を中心としたバラエティ豊かなドーナツとされている。ただ、それが競合のドーナツとの味の違いとして明確に表れているかといえば、疑問がつきまとう。

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