今回の大型企画は、小保方氏が1月に発表した一連のSTAP騒動を綴った手記『あの日』(講談社)を読んだ瀬戸内氏が、婦人公論編集部を通じて小保方氏に「直接会って話がしたい」と呼びかけたことがきっかけとなった。
瀬戸内氏は「婦人公論」の誌面上で、『あの日』を自ら書店に足を運んで購入し、3回も読んだと話している。これまで通院以外の外出はほとんどできなかったという小保方氏も、同誌(4月26日号)の瀬戸内氏の連載『わくわく日より』に掲載された小保方氏へ宛てられた手紙を読み、「心が溶け出したような涙が溢れた」と対談を受ける決意をした経緯を明かした。
対談のなかでは、まだ体調が優れないという小保方氏が、これまでに語られてこなかった激しいバッシング渦中での胸中を吐露。手記『あの日』を刊行した経緯や、研究への思い、将来への思いなどを率直に打ち明けている。瀬戸内氏は「あなたがされたことは、いじめですよ。公のいじめ。ひどいわね。」と小保方氏に言葉をかけた。
また、今では瀬戸内氏の代表作の一つである小説『花芯』を発表した際に、「ポルノグラフイーだ」と世間からの大バッシングを受けたときの経験を語り、「自分が不幸にならないと、人の不幸がわからないのよ。こんな目にあったら、たいていの人の苦しさがわかる」とこれまで多くの人達を苦しみから救ってきた瀬戸内氏ならではの金言が光る。
対談を掲載した「婦人公論」について瀬戸内氏は、「100年続く『婦人公論』の真面目な女性読者たちに読んでもらうのが一番」と、掲載に至った理由を対談記事内で語っている。
異例の増刷が決定
出版業界関係者によると、「婦人公論」のような雑誌の増刷は、その雑誌が完売したことを意味し、出版業界でも異例のことだという。同誌によると、6月14日号は初版19万1500部を用意したが、各メディアに取り上げられたことから発売初日から記録的な売れ行きを見せ、全国の書店で売り切れが続出したため、発売日から3日での異例の増刷を決定したという。増刷分は6月初めには各店頭に並ぶ。