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ロッテ、地検特捜部が起訴…政府高官の一大収賄疑惑浮上、一斉逮捕で会長を事情聴取へ

文=松崎隆司/経済ジャーナリスト
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ロッテ、地検特捜部が起訴…政府高官の一大収賄疑惑浮上、一斉逮捕で会長を事情聴取への画像1ロッテ裏金疑惑で逮捕・起訴された辛英子(ヨンジャ)ロッテ奨学財団理事長(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 創業者、重光武雄=韓国名:辛格浩氏(シンキョクホ)の長女、辛英子(ヨンジャ)ロッテ奨学財団理事長が逮捕された韓国第5位の財閥ロッテ。今度はロッテケミカルの元財務担当役員が逮捕された。

 韓国ソウル中央地検特捜部は7月8日に逮捕・起訴したという。ソウル地検は8日に行われた記者懇談会のなかでこの事件を「訴訟詐欺だ」と明言して、「屈指の大企業(韓国ロッテグループ)が政府を相手に訴訟詐欺を行った。まったく驚くべきことだ」と語ったという。ロッテグループに詳しい関係筋はこう語る。

「韓国ロッテグループが朴槿恵(パク・クネ)大統領側近の議員たちに賄賂を贈った疑いが出てきたようなのです。昨年のお家騒動が顕在化したころから始まったのではないか、ということのようです」

 ロッテケミカルは韓国ロッテグループの中核企業のひとつで、重光昭夫=辛東彬(シン・ドンビン)韓国ロッテ会長が会長を務めている。現地の報道によるとロッテケミカルは税務当局を相手に計270億ウォン(約25億円)を請求、2008年から15年までの8年間にわたって返済を受けてきたという。

 問題となった資産は、ロッテケミカルの子会社ケイピーケミカルの資産。ロッテケミカルが04年にケイピーケミカルを買収する過程で、実際には存在しない1512億ウォンの架空資産をでっちあげ、数年間に分けて費用として計上できる減価償却費として計上して利益を縮小、税金を払い過ぎたかたちにしたとされている。

 その上で法人税更正請求、国税審判請求、行政訴訟を起こし、06年から08年までの法人税220億ウォン、還付加算金(利息)20億ウォン、住民税30億ウォン、計270億ウォンの還付を受け取っていた。

 ソウル地検は、事件に昭夫氏や許寿永(ホ・スヨン)ロッテケミカル社長が関与している可能性にも大きな関心を示しているという。

裏金疑惑も

 昭夫氏は、ロッテケミカルの前身、湖南石油化学のCEOを04年から務めている、昭夫氏の側近といわれる許社長は08年から湖南石油化学の取締役を務め、11年にはケイピーケミカルの社長を兼務、12年から社名変更したロッテケミカルの社長に就任している。

「昭夫氏、許氏、それに訴訟を担当したキム&チャン法律事務所の弁護士を検察が呼び出して事情聴取するのではないかといわれています」(関係筋)

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