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LINEへの「懐疑」広まる…株購入者に多額損失、上場直後に

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LINEの画面(写真:ロイター/アフロ)

 対話アプリのLINE(ライン)が7月14日に米ニューヨーク証券取引所、15日に東京証券取引所第1部に新規上場した。東京市場では初値4900円を付け、直後に5000円まで買われる場面があった。時価総額が9000億円と、日本では大型上場となった。華々しいデビューに見えるが、株式市場関係者の間では上場の手法に対し、懐疑的な声が少なくない。

 問題はその株主構成だ。LINEの発行済み株式総数のうち8割以上を、親会社である韓国の検索最大手ネイバーが保有している。東証の第1部市場に直接新規上場するには、原則として35%以上の株式が市場に出回ることが求められている。つまり、LINEはこの条件を満たしていない。

 ところが、東証では海外市場に同時上場する場合には、「個別に判断する」という特例措置があるのだ。同社はこれを“活用”することでハードルをクリアした格好だ。

さまざまな弊害


 その弊害は流通株式の少なさとして表れている。東京市場での大型上場の場合、一般的に世界の投資家の注目度も高い。流動性が備わっていれば、グローバルなベンチマーク(投資基準)であるMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)やFTSE(英のベンチマーク)などへ早期採用されるのが一般的。

 これらのベンチマークは、日本でいえば日経平均やTOPIX(東証株価指数)に当たる。機関投資家などが大型のIPOを組み入れるというわけだ。ところがLINEは浮動株(市場に出回る株式)が少なく、実務的には大型上場とみなされていない。

 つまり、東証1部に上場するためにNY市場へ上場した可能性がある。実際、LINEは欧米でのシェアが少ない。これから米国などのシェアアップを狙うというなら、戦略的に納得できる。しかし、上場時の記者会見で出沢剛社長は、対話アプリなどについて「世界の陣取り合戦はほぼ終わった」と語った。つまり、米国で勝負する気などないのだ。

 LINEの月間利用者数は2億1800万人。うち、同社が注力している日本、タイ、台湾、インドネシアのそれは1億5300万人。会見ではこの4カ国での収益をあげる戦略の説明に多くの時間を費やした。米国については「ベーシックな技術が世界から集まっており、最先端に接するため」などとしていた。