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不祥事&赤字企業だらけの東証マザーズ、危険かつ不可解な「行為」に波紋広がる

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東京証券取引所のメインルーム(「Wikipedia」より/Chris 73)

「トラブルメーカーにならねばよいが」と、早くも少なからぬ市場関係者に懸念されているのが、2016年7月第4週(19日)から売買の始まった東証マザーズの指数先物取引だ。
 
 東証マザーズのイメージは芳しいものではない。上場第1号であったリキッドオーディオ・ジャパン(後にニューディール)創業社長の逮捕、市場全体の急落を呼んだライブドア事件、エフオーアイの粉飾決算による詐欺的な上場など、投資家を蔑ろにしたマザーズ上場企業の不祥事や醜聞を列記していけば、立派な裏年譜ができてしまうほどだ。
 
 現在でもなお市場の質が向上したとはいいがたい。6月末時点の上場企業226社(特設注意・管理銘柄を除く)の前期業績を見ても、約4分の1に当たる58社は赤字決算であり、無配企業は6割超の143社に上る。上場に際して利益や配当に関する基準が存在しないことはあるものの、前期決算といえばアベノミクスによる景気回復の追い風を受けて、東証1部上場の主要企業では黒字はおろか、数多くが過去最高益を更新したのだから、お寒い内容だろう。

 ベンチャー市場特有の玉石混淆、それに伴う信頼性の低さ、内容の貧弱さは先物取引の基軸になる指標そのものにも影響を与えている。変動率すなわちアップダウンが著しく大きいのだ。同じく株式先物取引に使用されている日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)の過去5年間の平均変動率が3割台であるのに対して、マザーズ指数はほぼ7割にも達する。もともと少額の証拠金で投資できる先物取引はハイリスク・ハイリターンな性質を持つものだが、そのなかでもマザーズ指数先物は特に過激なものであることはわかる。

 加えて、マザーズは個人投資家の売買シェアが約7割を占めるアマチュア色の強い市場である。そこに外国人投資家と機関投資家が主体である既存の株式先物取引よりもリスクの高い取引を設けるのは適切なのか、首をひねる向きも多い。

 先物市場を運営する日本取引所グループ大阪取引所によれば、「各種の聞き取り調査などで市場参加者のマザーズ指数先物のニーズが強く、それに沿う形で創設された」という。また「先物取引のリスクについては周知徹底を図っており、認識されている」という。しかし、日本取引所グループによるリーフレット「東証マザーズ指数先物のご案内」を見ても、取引のリスクをわかりやすく表した文言は見当たらない。