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「ゆるキャラ」「クソゲー」「マイブーム」…みうらじゅんはなぜブームを作り出せるのか?

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※画像:『ない仕事の作り方』文藝春秋刊

 「ゆるキャラ」「クソゲー」「マイブーム」

 これらの言葉は、普段の会話のなかで使っても違和感を持たれることは稀だが、実はすべて、タレントのみうらじゅん氏が発言するまでは存在しなかった「新しいカテゴリー」だ。

 みうら氏は自身の仕事をこのように説明している。

「私の仕事をざっくり説明すると、ジャンルとして成立していないものや、大きな分類はあるけれどまだ区分けされていないものに目をつけて、ひとひねりして新しい名前をつけて、いろいろ仕掛けて、世の中に届けることです」
(引用:『「ない仕事」の作り方』3ページ)

 これだけを見ると、天才的な目の付けどころや、卓越したネーミングセンスが評価される「感性の仕事」のように思えるかもしれないが、それだけとも言い切れない。

■ブームを作り出す「一人電通」活動とは?

 みうら氏はこれまで、自分が面白いと思ったことを、雑誌やテレビといったメディアを通して発信する仕事をしてきたが、残念ながら話題にならなかった事柄も多かった。

 であれば、「本当に流行るまで自分で面白がって、様々な仕掛けを打ち出し、話題を作ってしまえばいい」という発想に至るのである。

 自分が好きになったものを仕掛けて、自らブームを起こす活動をみうら氏は「一人電通」と呼び、その仕事術を『ない仕事の作り方』(文藝春秋刊)にまとめている。

■「ないもの」に名称とジャンルを与える

 「ブーム」とは、人から人に伝わるうちに波紋のように大きく広がっていくものだが、そもそも名称もジャンルもないものは、人々の記憶には残りにくい。

 たとえば「ゆるキャラ」というネーミングがなければ、「地方の物産展で見かける、その土地の名産品を模した着ぐるみのマスコットキャラクター」という、長ったらしく伝わりにくい説明をしなければならなくなる。しかし、「ゆるキャラ」という「名称」と「ジャンル」を与えることで、人に伝えやすく、印象に残りやすいものに姿を変えるのだ。

■絶対にブームがくると強く思い込む

 もちろん、「名称」と「ジャンル」を与えたからといってすぐにブームになるわけではない。その後は、「これは絶対にブームがくるのだ」と、自分を洗脳して「無駄な努力」をすることが必要だという。

 「無駄な努力」というのは、目をつけたものに関するあらゆる情報を仕入れ、グッズや関連商品を買いまくり、全てに関して圧倒的な量を集めることだ。

 モノが集まると、愛情が深まって新しい発見が見つかる。さらに、みうら氏の経験上、人は大量のモノを目の前に出されるとエレクトしている気分が伝わり、「なんだか凄そうだ」と錯覚するのだという。

■「そこがいいんじゃない」という信念

 人はよくわからないものに対して、「つまらない」と判断するのが一般的な感覚だろう。しかし、そもそも「ないもの」を仕事にしようとするのだから普通の感覚では話にならない。