カーネル・サンダース、ウォルト・ディズニー、ベーブ・ルース、本田宗一郎など、歴史にその名を残した偉人たちも、完璧な人間ではない。
彼らも失敗を乗り越えて、成功を手にしてきたのだ。
『偉人たちの失敗』(遠越段著、総合法令出版刊)では、「失敗は成功のもと」を実証した偉人たちの失敗と成功の物語を、彼らの名言を通して紹介している。
■KFC創業者カーネル・サンダース、その人生を辿る
ケンタッキーフライドチキンの創業者であるカーネル・サンダースは、誰もが知っているだろう。
ケンタッキーフライドチキンの店舗の前に立っている白いスーツに黒の蝶ネクタイのあの「カーネルおじさん」だ。
カーネルの一生を辿ってみると、「人生の面白さ、仕事の喜び、ピンチや挫折や失敗があろうとも、必ず何とかなる」ということを教えてくれる。
カーネルがフライドチキンでフランチャイズ事業を始めたのは60歳を過ぎてからと、実はかなり遅い。
それまで彼は職を転々してきた。鉄道や弁護士の見習い、保険の外交員、ミシュランタイヤのセールスマン、ガソリンスタンドの経営、モーテルの経営、そしてレストランの経営。すべて全力で取り組み、それなりの成果を出してきた。
しかし、65歳になったカーネルに試練が訪れる。
■老体に鞭を打ちながら、信念を曲げずに成功をしたカーネル
経営していたレストランの近くにバイパスができ、客が来なくなってしまったのだ。そのときに始めたのが自慢のフライドチキンのレシピを使ったフランチャイズ事業である。
はじめはうまくいかず、車で各地を営業し、節約のために車の中に寝たことも。65歳という年齢、体力的にも相当苦しいはずだ。しかし、彼は悲嘆することなく、目の前の仕事に全力で打ち込んだ。
その後、フライドチキンのフランチャイズ事業は大成功していくが、カーネルの人生はお金持ちになっても何も変わらなかった。
「約束したことを守りぬいたり、自分の仕事を妥協することなく継続したり、正しい道を貫き通して成功することは容易ではない。
簡単な道のほうが効果的で、早く成功できたかもしれない。険しい道を進むのは努力が必要であり道のりも長い。だが時が進むにつれ、最初簡単だった道はだんだんと難しくなり、険しかった道は徐々に容易になってくる」
こんな言葉をカーネルは残している。
自分の思う正しい道を頑固に進む。自分の生き方を曲げることなく貫き、しかもそれを楽しんでいたからこそ、失敗も乗り越えることができたのだろう。
失敗や困難から、何を学び、どう乗り越えてきたのか。カーネル・サンダースをはじめとした偉人たちから現代に生きる私たちが学ぶべきことは多いはずだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。