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バイクが売れない…販売台数9分の1、原付は「絶滅危機種」、あの「三ない運動」で大打撃

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「Thinkstock」より

 二輪車では本田技研工業(ホンダ)が世界のトップメーカー。ヤマハ発動機は国内2位だ。1980年代には「HY戦争」と呼ばれる熾烈なシェア競争を繰り広げた。そんな浅からぬ因縁の両社が手を組む。

 ホンダとヤマハ発は10月5日、排気量50cc以下の「原付一種」の生産や開発で提携すると発表した。ヤマハ発は国内販売の大半を占める「ジョグ」「ビーノ」の生産をやめ、2018年中にホンダからOEM(相手先ブランドによる生産)による供給を受ける。ヤマハ発は台湾で年5万台を生産して日本に輸入してきたが、生産から撤退する。

 ヤマハ発の渡部克明取締役は「単独で、この先の環境規制の強化に対応するのは難しい」と語った。今後は125ccや中大型クラスに生産を集中する。

 今年2月、ヤマハ発からホンダに提携を持ち掛け、水面下で交渉してきた。HY戦争について問われた渡部氏は「私が入社したのはHY戦争で負けた年。5%減俸になった。HY戦争によるしこりやわだかまりはもうない」と述べた。

 かつてのライバル同士が提携したのは、排気量50cc以下という国内専用で“ガラパゴス化”した車種を効率化したいとの思惑で一致したからだ。

ヤマハ発のスクーター「パッソル」が大ヒット


 二輪車は、原付第一種(排気量50cc以下)、原付第二種(51~125cc)、軽二輪車(126~250cc)、小型二輪車(251cc以上)に分類される。かつて、排気量50cc以下の原付バイクを乗り回すことは、カッコいい若者文化だった。HY戦争は50cc以下の車種の主導権争いだった。

 原付一種の人気に火がついたのは1970年代のこと。ホンダが76年、自転車感覚で気楽に乗ることができる「ロードパル」を、6万円を切る低価格で発売した。イタリアの大女優ソフィア・ローレンが登場するテレビCMが話題になった。

 ヤマハ発は77年、スカートをはいた女性でも両足を揃えて乗れるスクーター「パッソル」を売り出した。バイクのイメージからほど遠かった女優の八千草薫をCMに起用して大ヒットを飛ばした。パッソルは、主婦の買い物用、高校生や大学生の通学用として受け入れられ、旋風を巻き起こした。

高校生にバイクを禁止する「三ない」運動で、バイク販売が激減


 だが、空前のバイクブームは長く続かなかった。暴走族の横行や高校生の死傷事故が続出し、警察は取り締まりを強化。学校が高校生にバイクの免許を取らせない、買わせない、乗らないの「三ない」運動を展開したため、販売は急速に落ち込んだ。