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スーパードライが売れない…アサヒ、巨額買収連発に潜むリスク、海外進出が致命的出遅れ

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アサヒスーパードライ(「Wikipedia」より/Batholith)

 アサヒグループホールディングスは、英ビール大手SABミラーの東欧5カ国のビール事業の買収を検討している。SABを買収した世界ビール最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)が実施する入札に参加する。

 売却の対象はハンガリー、ポーランド、チェコ、スロバキア、ルーマニアのビール事業。SABミラーのシェアはスロバキアでの2位を除き、4カ国で首位。チェコの人気ブランド「ピルスナーウルケル」が含まれている。

 買収額は5000億円規模に上るとみられている。欧米のファンドやアジアのビール会社も入札に参加するといわれており、激しい争奪戦になるのは間違いない。アサヒは来春までの合意を目指す。

 SABミラーは世界2位。「バドワイザー」で知られる世界首位のベルキー・ABインベブと経営統合し、世界シェアの3割を握る巨大企業が誕生した。各国の独占禁止法に抵触するのを避けるため、SABミラーの事業の売却を進めてきた。今回の東欧のビール会社の売却もその一環だ。

 アサヒは2月、イタリアの有力ブランド「ペローニ」、オランダの「グロルシュ」、英クラフトビール「ミーンタイム」など、SABミラー傘下のビール4社を買収することに合意した。ABインベブによるSABミラーの統合が10月10日に完了したため、アサヒは10月11日に買収手続きを完了した。買収額は2945億円だった。

 英国に新設したアサヒヨーロッパが4社を傘下に収めた。2016年3月期の、4社の単純合計の売上高は860億円、営業利益は150億円。この買収でアサヒの海外売上高比率は16%に上昇する。

 アサヒには、海外事業を伸ばさなければ成長できないという危機感がある。海外展開でキリンホールディングスやサントリーホールディングスに大きく水をあけられており、海外でのM&A(合併・買収)の強化でライバルを猛追する構えだ。

 東欧のビール事業の買収が決まれば、買収額は8000億円規模になる。アサヒは社運を賭けて勝負に出た。勝算はあるのだろうか。

買収総額は1兆円超か


 アサヒは、国際事業を今後の成長の柱と位置づけている。16年1~9月期の国際事業の売上高は1604億円で、営業利益は79億円。全社に占める国際事業の比率は売上高で11.7%、営業利益は7.7%にとどまる。