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飛ぶように売れていたバーバリーを失った三陽商会、深刻な事態突入…大量リストラ&閉店

文=編集部
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飛ぶように売れていたバーバリーを失った三陽商会、深刻な事態突入…大量リストラ&閉店の画像1バーバリーの店舗(「Wikipedia」より/Mparweo)

 アパレル大手、三陽商会は10月末に予定していた中期経営計画の発表を延期した。2017年2月にあらためて発表するという。

 この数年の業績不振を受け、7月に当初の中期経営計画を撤回した。10月に新しい計画を発表するとしていたが、営業赤字が拡大し経営の方向性が定まらないため、さらに延期することになった。先行きが見通せなくなったことの表れで、深刻な事態に直面したことになる。

 三陽商会の16年1~9月期の連結決算の売上高は、前年同期比35%減の478億円、営業利益は83億円の赤字(前年同期は68億円の黒字)、最終損益も81億円の赤字(同30億円の黒字)だった。

 17年2月14日に発表した16年12月(通期)は売上高が前期比30.6%減の676億円、営業損益は84億円の赤字で純損益は113億円の赤字と、5年ぶりに赤字に転落した。最終損益は過去最大の赤字となった。17年12月期は売上高が16年同期比6.8%減の630億円、営業損益段階で30億円の赤字。純損益も14億円の赤字の見通し。業績が底を打つ気配はみえない。インターネットの通販向けに価格帯を2~3割下げた専用ブランドを立ち上げ、19年同期には現在の2倍の80億円にインターネット向けの売り上げを増やしたいとしている。

バーバリーブランドが売上の4分の1を占める

 三陽商会といえばバーバリーである。1965年の輸入開始以来、50年以上にわたって英バーバリー社と蜜月関係を築いてきたが、2015年6月にその関係に終止符が打たれた。ライセンス契約を打ち切られたのである。世界統一商品としてブランド管理のグリップを強めたい英バーバリー社と、バーバリーの派生商品をつくる三陽商会との関係がぎくしゃくして、今回の事態に立ち至ったと見られている。

 バーバリーといえば、コートの裏地のチェック柄がトレードマークだ。重厚なデザインや仕様のため、年齢層の高い富裕層に支持されてきた。

 1996年、日本で若者の間に、バーバリーが爆発的にヒットしたことがある。三陽商会が10代から20代の女性にターゲットを絞ったバーバリー・ブルーレーベルを発売したのがきっかけだった。

 97年10月。当時人気絶頂の歌手、安室奈美恵さんが婚約会見で着ていたのが、バーバリー・ブルーレーベルのチェックのミニスカートで、約2万円の商品が翌日から飛ぶように売れた。三陽商会の売上高の25%がバーバリーブランドだった。

後継ブランドの販売が大苦戦

 基幹ブランドを失った痛手は大きかった。それでも、バーバリーなき後も強気の中期5カ年計画を策定した。

 2013年12月期の売上高は1063億円、営業利益は70億円だった。バーバリーを失った後の16年同期は、売上高が850億円、営業利益は20億円の赤字になると想定した。16年12月期を底に18年同期には売上高は1000億円、営業利益は50億円に回復するという計画を立てた。

BusinessJournal編集部

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