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「完全なる子会社」シャープ、鴻海の世界的躍進のために「意のままに」利用される

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シャープの本社(「Wikipedia」より/Otsu4)

「経営再建中のシャープの戴正呉社長は4日公表した年頭あいさつで、『早期の黒字化と東京証券取引所1部への早期復帰を目指す』と改めて強調した。実現に向け『(親会社である台湾の)鴻海グループとのシナジー(相乗効果)を最大限に高めることにより収益を拡大する』と述べた」

 新聞各紙は1月5日、このような共同通信の配信を掲載した。

 2016年8月1日、シャープは東京証券取引所1部から2部へ降格になった。液晶事業の不振から16年3月期は2559億円の赤字(前期は2223億円の赤字)となり、312億円の債務超過に陥った。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されることが決まっており、7月に新たな経営体制をスタートさせる方針だったが、中国で独占禁止法の審査が遅れていた。結局、間に合わず2部に降格となった。17年3月末までに債務超過状態を解消できなければ、シャープ株は上場廃止になる。

 16年8月12日、シャープは鴻海から3888億円の出資金の払い込みが完了したと発表した。鴻海はシャープに議決権ベースで66.07%の株式を確保し、シャープは鴻海の子会社になった。これによりシャープは債務超過(6月末時点で853億円の債務超過だった)を解消した。

 翌13日、シャープは臨時取締役会を開き、新社長に鴻海副総裁の戴氏が就任した。

 戴氏は1951年9月3日、台湾生まれで、大同工学院(現・大同大学)機械学部卒業。74年に同大学の経営母体である総合電機メーカー、大同に入社した。70年代に新潟県佐渡島にあった日本企業の半導体ラインで生産管理を学んだという。

 86年、創業11年目の鴻海に課長として転職。鴻海が世界一のEMS(電子機器受託製造サービス)へと急成長を遂げる時期に幹部として頭角を現した。

 ソニーなどの大型受注を獲得したことから、アクの強い“独裁者”である郭台銘会長の信頼を得たとされる。2004年に鴻海グループのナンバー2、副総裁に登りつめ、郭氏の大番頭とみられている。

 EMS事業は利幅の薄いビジネスのため、郭氏は非常に細かいコストカットを実践する。「コストカットの鬼」として知られる郭氏の右腕である戴氏もまた、「コストカッター」の異名を持つ。

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