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「完全なる子会社」シャープ、鴻海の世界的躍進のために「意のままに」利用される

文=編集部
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 SDPの新規株式公開(IPO)を検討していると伝わった1月5日の東京株式市場で、シャープの株価は一時、前日比31円(11%)高の324円まで上昇。14年9月以来、2年4カ月ぶりの高値をつけた。SDPが上場すれば、シャープは保有株を売却し、財務の改善につながると期待されたからだ。

 SDPの上場は、戴氏の公約「黒字化、早期の東証1部復帰」の切り札になり得るのか。

 鴻海は世界最大のEMSだが、あくまで有力メーカーの生産をサポートする“黒子”の存在でしかない。同社は米アップルの「iPhone」を生産しているが、圧倒的に知名度が高いのはアップルであって鴻海ではない。ここに鴻海がシャープを買収した本当の狙いが隠されている。

 シャープの買収に執念を燃やした理由は、シャープをテコにして世界的ブランドとして通用する商品の開発から販売までを手掛ける総合電機メーカーに脱皮することだろう。これは、郭氏の悲願である。

 鴻海とシャープは、中国にスマホ向け有機ELパネルの量産工場を建設する。アップルが年内に「iPhone」の表示装置を有機ELパネルに切り替えると予想されることから、鴻海・シャープ連合は有機ELの量産に乗り出し、先行する韓国のサムスン電子を追う。

 シャープは有機EL関連で2000億円を投資し、国内に工場をつくる予定だが、量産工場に関しては中国ということに方針を転換した。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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