15日、大阪の学校法人「森友学園」をめぐる問題で、理事長退任を表明している籠池泰典氏は、日本外国特派員協会で会見する予定であったが、同日朝になって急遽中止した。籠池氏と妻・諄子氏、長男・佳茂氏は上京し、ノンフィクション作家・菅野完氏の事務所に向かった。詰めかける報道陣の前で、菅野氏が籠池氏の主張を断片的に語るという、異例の展開となった。
そして16日には、籠池氏は大阪府内で野党4党の議員と面会し、安倍晋三首相から昭恵夫人を通じて100万円の寄付を受けたと証言し、政権を揺るがしかねない事態となっているが、森友学園の問題を追っている、ジャーナリストの須田慎一郎氏に話を聞いた。
「籠池氏は会見を反撃の場にしようとしていた。ここで新たな爆弾が炸裂する可能性もあったんですよ」
菅野氏は、松井一郎大阪府知事と、当時の財務省理財局長であった迫田英典国税庁長官の顔写真を掲げて、彼らを追求しろと報道陣に迫った。問題にかかわっているとすでに疑われている2人であり、“爆弾”ではなかった。
「森友学園が開校しようとしていた瑞穂の國記念小學院に対して、認可が適当だとする答申をまとめるに当たって、近畿財務局から大阪府の私学課にプレッシャーがあったと、松井知事が言っていますね。小学校の用地として、近畿財務局としては国有地の賃貸を認めたいんだけど、大阪府が認可を下ろすことを確約しない限り、賃貸は認められないという立場があった。認めたいから大阪府に働きかけをしたというふうにも受け止められるわけですよ。そうすると、近畿財務局が裏で動いたというようなところが色濃く見えてきます。籠池氏は今回しばらく身を隠していましたよね。『アパホテルにいた』『財務省からそうするように言われた』とも本人は言ってますね」(同)
では、会見中止には、どのような意味があったのか。
「稲田朋美防衛大臣が今、窮地に立たされています。当初、十年来会ってないとか、顧問弁護士を務めたこともなければ、裁判に出廷したこともないと言っていた。それが、裁判に出廷していることを示す資料が出てきてしまったわけです。短時間に全部の資料をひっくり返して探すっていうことはとてもできないですから、森友学園サイドの情報提供によって出てきたのは明らかです。さらに数千円ではあるけれど、献金を受けていた事実が出てきた。こういったことが次から次に出てきかねない状況があるわけです」(同)