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『この世界の片隅に』が『君の名は。』より圧倒的にスゴい理由…戦争映画ではない戦争映画

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『この世界の片隅に』公式サイトより
 映画会社の東宝は自社公開の『シン・ゴジラ』や『君の名は。』の大ヒットもあり、2017年2月期連結決算の最終利益が前期比28.7%増の333億円と、過去最高益を達成した。このことからも、昨年は邦画の当たり年だったということがわかる。


 そこで、昨年に高い興行成績を記録した“あの邦画”は、なぜヒットしたのか、前回5月5日付当サイト記事『「君の名は。」誰も説明できない公開初週異常ヒットの謎…隠れた「シン・ゴジラ」効果?』に引き続き、映画業界関係者4人に自由勝手に語ってもらった。

いまだかつてないリアルな戦争映画


――『シン・ゴジラ』『君の名は。』同様、昨年話題となった映画として『この世界の片隅に』(東京テアトル)の話に移ります。封切り時は63館での公開にもかかわらず、話題が話題を呼んで約200館にも拡大。興行収入も25億円を突破した大ヒットアニメです。

A 『君の名は。』のヒットが突出している影響で、世間の感覚がおかしくなっているけど、公開前の期待値から考えると『この世界の片隅に』も同じくらいスゴイことになっている。個人的には『君の名は。』に比べて圧倒的によかった。切り口がすごい現代的。この年収300万時代でも、戦争が起きるかもしれない。もし起きちゃったときに、コンビニ弁当を細々食べる、そんなささいな幸せですら、どんな形で奪われるのかってことを突きつけてくるというか。

D 私もそう思いました。善と悪、ヒーローと見送る人みたいな二極化した物語じゃなくて、『きけ、わだつみの声』とかとは対照的な戦争の捉え方。

A 原作のこうの史代さんは、市井の生活をすごく大事にしている人で、その作風と戦争が結びついたからこそ、こういう作品になったんだと思う。『火垂るの墓』みたいな「さぁ泣け!」っていう、あざとさがないんだよ。でもすごく泣けるの。

D リアリティが半端じゃないですよね。戦争が始まっても日常が続いている感じとか。戦争をフックにしているけど、伝えたいことはそこじゃない、という感じで。

C 普通の戦争映画のほとんどは、登場人物の誰もが戦争の当事者で、必ず悲劇に身を置きますからね。主人公のすずも姪っ子が死んだり、自分の右手も失っているのに、そこに物語のピークを持ってこないあたりは、ちょっとスゴイなと。

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