NEW

「人件費に潰される」三越伊勢丹が王者陥落…社員半数が管理職の異常体質、前社長を完全否定

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
日本橋三越本店(撮影=編集部)

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)の杉江俊彦社長は5月10日の決算会見で、人員削減のため早期退職制度の割増退職金を積み増す方針を明らかにした。秋までに積み増し額などの詳細を詰め、2018年3月末に実施する。杉江氏は業績不振の理由を「他社と比べて高い人件費が大きな課題だ」と説明した。

 杉江氏は4月1日、業績不振の責任を取って引責辞任した大西洋氏の後任として社長に就任した。新社長がまず取り組むのは、“周回遅れ”と揶揄される不採算店舗の縮小と人件費の圧縮だ。

 三越伊勢丹HDの18年3月期の連結純利益は前期比33%減の100億円の見通しだが、売上高販売管理費率は28%と0.7ポイント増える。

 問題は販管費の3分の1を占める人件費だ。人件費は1200億円の見込みで、不採算店を閉鎖しているにもかかわらず、17年3月期の1180億円から1.7%増える。人件費の抑制が大きな課題になっているのに、具体的な道筋が見えてこない。

 傘下の事業会社、三越伊勢丹は社員5400人の半数近くを管理職が占めている。ともに歴史のある、三越と伊勢丹が経営統合した経緯もあって、役職が多層に重なる組織になってしまっている。

 三越伊勢丹は労組の力が強い。大西前社長が3月末、突然、辞任に追い込まれたのは、労組との関係が悪化したことが一因だ。

 杉江氏が人件費削減にどう切り込むのか注目されたが、「リストラ、肩たたきはしない」と言明し、早期退職制度の退職金の積み増しにとどめるという。指名解雇などの荒療治はせず、多すぎる管理職に「割増金を払うので辞めてください」というマイルドな方策で、本当に効果が上がるのか疑問視する向きも多い。

「『2度とリストラをしない』と約束して大リストラを断行するのが人件費削減の鉄則です。小出しにダラダラと人減らしするのは、『次は自分の番か』と社員の不安をかきたてるだけで、さほど効果はないでしょう。三越伊勢丹は人件費削減に長期戦で挑むようですが、上策とは思えません」(外資系の人事コンサルタント)

 三越伊勢丹HDの決算発表を受けた翌5月11日の株価は2営業日連続で8%安となり、1060円で取引を終えた。ちなみに、その後の安値は5月17日の1055円。構造改革への踏み込み不足が失望売りを誘った。5月11日の終値ベースでの時価総額は4189億円。三越伊勢丹の時価総額は08年4月の経営統合以来、ずっと業界首位を守ってきたが、初めてJ.フロント リテイリング(4362億円)に逆転された。「百貨店の盟主」を自負する三越伊勢丹HDにとっては屈辱の日となった。

「人件費に潰される」三越伊勢丹が王者陥落…社員半数が管理職の異常体質、前社長を完全否定のページです。ビジネスジャーナルは、企業・業界、J.フロントリテイリングリストラ三越伊勢丹の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!