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『おんな城主 直虎』、柳楽優弥は「高橋一生ロス」の救世主になるか…痛快な展開も視聴率低迷続く

吉川織部/ドラマウォッチャー
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『おんな城主 直虎』、柳楽優弥は「高橋一生ロス」の救世主になるか…痛快な展開も視聴率低迷続くの画像1『おんな城主 直虎』公式サイトより

 柴咲コウが主演するNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』の第25回が25日に放送され、平均視聴率は前回から0.1ポイント減の12.3%(関東地区平均、ビデオリサーチ調べ)だったことがわかった。第20回で14.5%を記録したものの、そこから2週連続で1ポイント以上下げてしまい、これで4週連続12%台と少々低迷している。
 
 今回は、直虎(柴咲)を井伊の領主の座から引きずり下ろし、代わりに政次(高橋一生)をその座に就けようとかねがね狙ってきた今川氏真(尾上松也)がいよいよ動いた。井伊が材木を売った商人が、今川と敵対する徳川と通じていたことを口実に、井伊に謀反の疑いありとして失脚を図ったのだ。窮地に追い込まれた直虎は策を巡らせ、船で三河に運ばれる途中だった材木を龍雲丸(柳楽優弥)一党の手を借りて海上で取り戻すことに成功。「井」の焼印が押された材木の山を今川屋敷に運び込ませ、「これが井伊の忠義にございます」と啖呵を切った――という展開だった。

 今川がさまざまな無理難題を吹っ掛け、武力で逆らえない井伊がそれを知略でひっくり返すという展開はこれまで何度も繰り返されてきたが、何度見ても痛快でおもしろい。『半沢直樹』のように主人公がさんざんやられてから最後の最後に逆転するのでなく、結構早めにあっさりと逆転して早めにカタルシスが得られるのもいいのかもしれない。

 3週にわたってストーリーの中心を占めながら、家臣に取り立てようとの誘いを断って去ってしまった龍雲丸(柳楽優弥)一党について、早めに回収されたのも良かった。彼らは今後も、今回のようにいざという時に駆けつける助っ人としての役割を果たしていくのだろうか。ひとつ注文を付けるとしたら、架空のキャラクターが今回のような架空のストーリーでしか活躍できないのはつまらないので、史実とされている歴史の大きな動きに実は龍雲丸たちが関与していた……という物語を期待したい。

直虎の“覚醒”や龍雲丸の活躍は、「高橋一生ロス」の予防策!?

 直虎は今回、今川の無理難題に対抗するために三段構えの策を考案した。一番目の策がダメなら二番目、三番目の策を採用するという考えで、なかなか用意周到である。思い付きで勢いのままに行動していたかつての直虎とは大違い。これまで何かとヒントを与えてくれた南渓和尚(小林薫)や政次も、今回ばかりは何も助言していない。これは、直虎が領主として名実ともに一人立ちしたことを象徴しているのだろう。その半面、彼らとの距離が遠くなったことを暗示しているようにも見える。これが何を意味しているのか、気になるところだ。

 キャンキャンわめいてるばかりだった柴咲の演技も役柄の成長にともなって落ち着いたものとなり、だいぶ見やすくなってきた。このドラマをずっと支えてきたと言っても過言ではない高橋一生も、安定した存在感を見せる。今川に忠義の姿勢を見せつつも誰よりも直虎を案じている高橋の演技は、見ているこちらが苦しくなるほど切ない。史実によれば政次はそろそろ退場してもいいはずだが、「高橋の評判がいいのでストーリーの進行を遅らせているのではないか」と見る視聴者もいる。とは言え、いつかは退場せざるを得ないはず。もしかしたら、直虎の“覚醒”や龍雲丸の活躍は、「高橋一生ロス」に備えたストーリー上のテコ入れなのだろうか。

 今後の展開にはさまざまな予想ができるが、おそらく氏真は直虎を失脚させることをあきらめたわけではないだろう。政次の立場になってみると、直虎が領主として立派に成長した今となっては、自分の存在はもはやそれほど必要ではなく、むしろ自分がいないほうが直虎は安泰でいられると考えても不思議ではない。果たしてこの予想が当たっているかどうかはわからないし、きっと外れるだろうと思うが、ともかくこの先の大きな山である「政次退場」がどのように描かれるのか楽しみだ。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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