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バーバリーを失った三陽商会、一斉大量閉店の危機的状況…アパレルなのに他社ブランド頼み

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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バーバリーを失った三陽商会、一斉大量閉店の危機的状況…アパレルなのに他社ブランド頼みの画像1「ブラックレーベル・クレストブリッジ渋谷店」(公式HPより)

 アパレルメーカーの三陽商会は“バーバリーロス”から立ち直れずにいる。

 三陽商会の2017年1〜6月期連結決算は、売上高が前年同期比6.6%減の318億円、営業損益は16億円の赤字(前年同期は58億円の赤字)、最終損益は2億円の赤字(同54億円の赤字)となった。赤字幅は縮まっているものの、依然として赤字状態が続き、売上高は減少し続けている。

 主力ブランドだった「バーバリー」のライセンス契約が終了したのは15年6月。英バーバリーと提携して1965年に輸入販売を開始、70年には日本国内においてバーバリーブランドのアパレル商品の企画・製造・販売についてのライセンス供与を受けた。こうして50年間にわたりバーバリーの販売を続けてきたが、バーバリー社の戦略転換により契約が打ち切られた形となった。

 三陽商会が販売してきた「バーバリー・ブルーレーベル」などの派生製品は正統派バーバリーよりも価格が低く、高級路線を志向したバーバリー社との方向性が異なることから契約を打ち切ることになったといわれている。バーバリー社は、ライセンス供与ではなく直営店を展開することでブランドの一貫性を保つことにしたのだ。

 バーバリー・ブルーレーベルは、歌手の安室奈美恵が97年の結婚会見で同ブランドのミニスカートを着用したのを機に大ブレイクした。女子高校生などがこぞって同ブランドを着用するようになった。

 このように、バーバリー・ブルーレーベルは女子高生でも気軽に手に入れることができたブランドだ。一方、バーバリーは高級ブランドで、商品にもよるが、数万円から数十万円するものも少なくない。バーバリー・ブルーレーベルなどとは明らかに世界観が異なるといえるだろう。バーバリー社が契約を打ち切ったのも、不思議はない選択といえる。

 三陽商会はバーバリーブランドを失ったため、「バーバリー・ブルーレーベル」の後継として「ブルーレーベル・クレストブリッジ」を、「バーバリー・ブラックレーベル」の後継として「ブラックレーベル・クレストブリッジ」を新たに立ち上げた。「バーバリー・ロンドン」は終了し、代わりに「マッキントッシュ・ロンドン」の展開を開始した。

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