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農薬残留の農産物や畜水産物、大量輸入の実態が判明…農産物、基準値超過は国産の5倍

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「Thinkstock」より

 厚生労働省が「食品中の残留農薬等検査結果(平成24年度)」を公表した。それを見ると、驚くべき事実が明らかになった。

 この検査は、平成24年度に地方公共団体及び検疫所が行った418万件の農産物、畜水産物、加工食品の残留農薬検査結果を取りまとめたものであり、食品の残留農薬の実態が明らかになったともいえる。

 この418万件の残留農薬検査で残留農薬が検出された件数は1万2404件で、検出割合は0.3%。検出割合は国産も輸入も変わりはない。ところが、基準値超過数、要するに基準違反数の割合を見ると、輸入が国産の2.75倍にもなっている。これは、農産物、畜水産物、加工食品合わせた全体の数字である。

 そこで、農薬残留が最も懸念される農産物で見ると、この傾向はもっと顕著である。農産物262万件の残留農薬検査で、残留農薬が検出された件数は1万556件、検出割合は国産が0.33%に対して輸入が0.45%と輸入農産物が高くなる。さらに、残留農薬基準値違反数の割合は、国産が0.002%に対して輸入農産物が0.01%と実に国産農産物の5倍に及ぶのである。輸入農産物に比べて国産農産物のほうが、より安全な農産物といえる。

グリホサート


 さらに、輸入農産物で検出割合の高い農薬を見ると、グリホサート(53.47%)、臭化メチル(17.91%)、チアベンダゾール(10.56%)、イマザリル(9.64%)、イミダクロプリド(9.49%)などが検出率の高い残留農薬である。このなかでもグリホサートの検出割合が極めて高く、実に検査したものの過半数からが検出された。

 このグリホサートは除草機能を持つ農薬成分であるが、これを使用した代表的な除草剤は、アグリ多国籍企業の米モンサント社が開発したラウンドアップである。これに耐性を有する遺伝子組換え作物を同社が開発したことによって、使用量が飛躍的に伸びた。ラウンドアップ耐性を有する遺伝子組換え作物は、これをいくら浴びても枯れることはない。そのため、ラウンドアップの大量散布が可能になるわけである。耐性を有する遺伝子組換え作物は「ラウンドアップレディー」と称され、大豆、とうもろこし、菜種、ワタ、テン菜、ジャガイモ、アブラナ、小麦などがある。今、遺伝子組換え作物の栽培面積は1億7520万ヘクタールで、その約9割が除草剤耐性作物ともいわれている。

 これらの遺伝子組換え作物は、ラウンドアップを浴びても枯れることはないが、作物に残留することになる。この残留した除草剤の成分が、グリホサートなのである。
 
 このグリホサートが検出率5割以上であることは、それだけラウンドアップを浴びた遺伝子組換え作物が日本に大量輸入されていることを証明しているともいえる。

 一方、世界的にはラウンドアップ耐性雑草が問題になりつつある。米国科学アカデミーの全米研究評議会は、ラウンドアップの過剰散布によって9種の雑草がラウンドアップ耐性を持ってきているとしている。
(文=小倉正行/フリーライター)

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