1日発売の「週刊文春」(文藝春秋)は、大手予備校・東進ハイスクールの人気英語講師・西きょうじ氏が元教え子の女性と不倫関係にあったと報じた。「文春」記事によれば、西氏はこの女性に妻と離婚する意思があると告げつつ肉体関係を迫り、避妊せずに行為に及んだという。予備校業界に詳しいジャーナリストは語る。
「西氏は東進ハイスクールに移籍する前は大手予備校の代々木ゼミナールで京都大学受験向け講座などを担当し、富田一彦氏、西谷昇二氏とともに代ゼミの看板英語講師として活躍していました。代ゼミが全盛期の1990年代は、3大予備校の駿台予備学校と河合塾の生徒数を足した人数よりも代ゼミの生徒数が多いといわれるほど圧倒的な強さを誇り、西氏クラスの人気講師の年収は軽く1億円を超えていたといわれています。しかしその後、代ゼミは、学生の『国立大志向・現役志向・オンライン個別授業志向』などの時代の流れに完全に乗り遅れ経営が悪化し、2014年には全国27校舎のうち実に20校舎を一斉に閉鎖すると発表し規模を縮小、現在では東進をはじめとする他の大手予備校の後塵を拝するポジションです。講師の年収も10年ほど前に比べて数分の一レベルに激減したとみられ、人気講師も次々と他の予備校に移籍していきました。そのようななかで、西氏も2年ほど前に東進に移籍したのです」
カリスマ講師である西氏の実力は、誰しもが認めるほど高い評価を受けているという。
「西氏のポリシーは、『大学受験にテクニックなど不要』というもので、授業もとにかく英語の基本や原理原則を徹底的に叩き込むというオーソドックスな内容です。毎年多数の生徒を東大・京大をはじめとする難関大学へ合格させ、東進もそうした実力を買ったからこそ、高額の報酬を支払ってまでも西氏を獲得したのでしょう」(同)
元教え子たちの証言
そんな西氏の不貞行為疑惑について、元教え子たちはどのような感想を抱いたのだろうか。かつて西氏の授業を受けたことがあるという会社員は語る。
「西先生の講座は募集開始後すぐに満員となるほど人気で、授業の際も前列の席に座ろうとする多くの生徒が2時間以上前から教室の前に行列をなしていました。そんな西先生の人気の要因のひとつに、授業の合間に披露される“雑談”があります。その内容は自宅で飼っている鳥や犬の話やプライベートの話から、時事ニュース、“人生訓”など多岐にわたり、笑えるものが多く、特に私のような暗い浪人生活を余儀なくされていた生徒たちは楽しんで聞いていました。ただ、話の内容に“綺麗事”や“自慢話”も多かったため、“アンチ西派”が多かったことも事実です。今回の不倫報道を聞いて、『生徒の前では綺麗事言いながら、裏では……』と幻滅しましたね。西先生の授業を楽しみに受講していた私からすると、残念です」
また、別の元教え子も語る。
「西先生が高収入なのは有名でしたので、授業のなかでも、代ゼミの人気古文講師だった吉野(敬介)先生(現東進講師)と高級フランス料理店で食事して20万円かかったという話や、数万円するグラスを何個も自宅でわざと割って床に散りばめ、それに月光が反射する光景が美しい、というような雑談をしていました。自身が飼っていた鳥が死ぬ間際に、目の前で全力を出し切って羽をばたつかせ飛ぶ姿を見せてくれたエピソードを引き合いに、『君たちもがんばれ』みたいな話もしていました。また、自然保護のボランティア運動なども行っていると明かす、“自分はこんなにスゴい”というアピールも強かった印象があります。代ゼミの他の講師のことを平気で批判したりもしていたので、正直言って私は『この人はあまり信用できない』という感じでしたね。なので、今回の報道を聞いても『ああ、やっぱり』という感じです」
そんな元教え子たちに今、西氏はどのような“人生訓”を語るのだろうか。
(文=編集部)