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【はれのひ事件】悲惨な着物業界…売上8割減、客の代金踏み倒し横行で損失1000万円の店も

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成人式当日に営業しなかった、はれのひ八王子店(写真:日刊現代/アフロ)
 一生に一度の晴れ舞台である成人式を台無しにした「はれのひ」。1月8日に突然閉店するなど音信不通となり、その被害総額は1億円を超えるとみられている。代金を支払ったのに振り袖が届かないというトラブルのほか、「母と同じ着物を着たい」などという客から預かった晴れ着の“転売”疑惑まで浮上している。近年、これほど消費者をないがしろにした悪質な騒動は目にしたことがない。


 この問題を受けて、着物業界は「被害者の会」を立ち上げた。日本古来の“民族衣装”である着物だが、市場は1980年頃に約1兆8000億円だった売り上げが右肩下がりで、2016年には2785億円とピーク時の6分の1以下まで縮小している。和服文化を継承している歌舞伎、落語、大相撲が人気を保っているものの、日本人は確実に和服離れしているのが現実だ。

 そんな着物業界にとって一番の稼ぎどきが、多くの女性が和服に身を包む成人式である。そして、昔から地元で商売をしている小売店の場合は「信用」が一番のキーワード。「あの店はきちんとしている」という評判や口コミは商売に欠かせない要素なのである。

 従業員の接客態度や価格はもちろんのこと、「入金時期と内金金額」も店の評判に関係するという。関西の某県で50年以上にわたって営業を続けている、老舗呉服店の社長が語る。

「通常、お客様は2~3社でお見積もりを立てますが、うちは平均価格である『購入36万円、レンタル15万円』よりもやや低い価格設定で、多くの方にご利用いただけるようにしています。成人式の晴れ着を予約されたら、(低価格帯の場合に限り)内金を1万円だけ入れてもらっています。すべては、お客様に気分良くご利用いただくためです。

 確信犯ともいえるはれのひは『現金払いなら5%オフ』などと入金を急かせていましたが、うちはクレジットカード決済すら見送り“あるとき払いの催促なし”という姿勢を貫いてきました。しかし、来年からはカード決済を導入せざるを得ないかもしれません」(呉服店の社長)

代金を踏み倒す客たち…損失は1000万円超


 ただでさえ平均より安いのに“あるとき払いの催促なし”とは、利用客にとってはありがたいに違いない。しかし、社長は以下のように内情を語る。

「代金は成人式の前日までに全額の支払いをお約束させてはもらいますが、なかには『1カ月待ってほしい』という方もいます。そして、前日までに支払いがなくても、成人式のお手伝いはきちんとさせていただきます。それもこれも、『実家からの仕送りで生活するのがやっとで、成人式は“自力”』という方もおり、そんな方のご希望を叶えてあげたいからです。

 一生に一度ですし、『その後、和服に興味を持ってもらいたい』というのが私どもの考えです。そのため、カード決済を導入しないで『あくまでお客様を信用する』という姿勢を貫いてきました。しかし、こうした口約束を守ってくれないお客様もいらっしゃるのが実情です。

 1カ月たっても代金が支払われないので電話をするとつながらない、書類に記載されたアパートを訪ねるとすでに引っ越した後……なんてことがよくあります。催促をしないこちらの姿勢も悪いのですが、うちは取り立て屋じゃありませんし、ましてや先代社長の教えが『困っている人には施せ』でしたので……」(同)

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