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最近耳にするBYODは便利 or 休日も仕事から解放されない?

海外では常識!? 個人のスマホを仕事で利用、日本でははやる?

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 コスト面では効果が出ず、管理負荷の低減という意味でも大きな効果が出しづらそうなBYOD。海外ではどういう理由でBYODが受け入れられているのかといえば、働きやすさのためらしい。扱いやすい端末でサクサクと業務を進めたいという考えや、どうせ使うならば好きな端末を使いたいというモチベーション的な面もある。支給される端末はローエンドだから自分でハイエンドなものを用意して使いたい、というような要望もあるようだ。どうもこのあたりが、海外と日本の違いのようにも思える。

導入前には労働組合との話し合いが必須

 もう1つ、日本企業がBYODを採用するにあたって大きな障壁がある。それは、働き方が変わってしまうことに対するフォローだ。

 スマートデバイスを業務に取り入れると、どうしても「24時間365日営業」になりやすい。夜間でも休日でも仕事のメールを読むことができる環境が手元にあれば、気になる人はいるだろうし、手元に環境があることを知っている人は、即時対応を求めたくもなるだろう。実際、アメリカのiPassによる調査では、モバイル・ワーカーの多くが仕事をする時間は増え、休日は完全に仕事から解放されないと答えている。(http://www.computerworld.jp/topics/658/ビジネス・モバイル/204617/BYODの普及で「新型ワーカホリック」が誕生

 企業支給端末でも同じことは起こるのだが、支給端末ならば極端な話、持ち帰りを禁止することもできる。出社から退社までの間だけ使われる端末にしたり、仕事以外への利用を制限することで業務時間外には触っていなかったから気づきませんでした、というような環境をつくることができる。

 しかしBYODではそうはいかない。普段使っているスマートフォンにメール新着件数が表示されていれば、無視し続けることは難しい。電話がかかってくれば受けざるを得なくなる。それが便利だという人もいれば、迷惑だという人もいるだろう。

 そのため、導入前に扱い方、働き方について労働組合等との話し合いをしっかりとしておく必要がある。たとえばメールのプッシュ配信は営業時間のみとする、というような処理もできるだろう。海外では、そうした業務時間外に仕事をさせない対策をとらなければ、企業が端末購入をできないようにしている国もあるようだ。

壊れたら?データの所有権は?

 また、BYODの場合は、ハードウェアとデータに対する所有権も考えなければならない。

「業務時間内に壊した場合の修理費はどうするのか?」
「業務用アプリを入れたせいで、プライベートで利用しているアプリが動かなくなった場合にはどうするのか?
「端末紛失時には情報漏洩対策としてリモートワイプを行うのが一般的だが、その時に個人利用の写真やメールのデータまで消えてしまってよいのか?」
「運用上の都合でワイプが必要になった場合や、なんらかのミスで個人データまでワイプされてしまった場合の補償はどうするのか?」

 こうした問題に対応するソリューションは存在する。データ配信の時間を制限したり、1台のデバイス内に業務エリアとユーザーエリアを作って、業務エリア内のみのデータをワイプできるようにするようなものだ。しかしそうしたツールの中には、ユーザーがインストールしているアプリのリストまで見えるものも多くある。それはプライバシーの侵害にならないのだろうか?

 ハードウェアの性能やセキュリティの問題以上に、扱いが難しい問題が数多くある。BYODをうまく利用するためには、導入前に社員との間でさまざまな確認を行い、誓約書を交わすなどの対応が必要だろう。

 さて、これらの問題を解決してまで、日本でのBYODはスタンダードな選択肢の1つになれるのだろうか?

BusinessJournal編集部

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