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女性の労働参加率、北欧並みに上昇の場合、少子化による経済のマイナスを約50%緩和

文=小黒一正/法政大学教授
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 そこで、今からすぐに日本女性の労働参加率が北欧並みになった時の従属人口指数を試算してみると、図表2のようになる。

 

女性の労働参加率、北欧並みに上昇の場合、少子化による経済のマイナスを約50%緩和の画像3図表2:従属人口指数の推移

 図表をみると、その効果は一目瞭然だ。現状のままでは、従属人口指数は15年の97.1から2100年の118.1まで約20ポイントも上昇する。しかし、女性の労働参加率が北欧並みになると、従属人口指数の上昇は約半分(10ポイント弱)に抑制でき、2100年の従属人口指数は104.8にとどまることが予想される。

 これは、出産・育児との両立を含む子育て世代の働きやすい環境整備や女性の社会的地位向上、また配偶者控除の縮小等により、もし日本女性の労働参加率を北欧並みに上昇させることができれば、長期的に少子高齢化が日本経済に及ぼすマイナスの影響を100%ではないものの、50%程度は緩和できる可能性があることを示唆する。

 以上みてきたように、「女性の活躍推進」に向けた政策は、日本経済の成長にとって重要な位置を占めるものといえよう。

小黒一正/法政大学教授

小黒一正/法政大学教授

法政大学経済学部教授。1974年生まれ。


京都大学理学部卒業、一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。


1997年 大蔵省(現財務省)入省後、大臣官房文書課法令審査官補、関税局監視課総括補佐、財務省財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授などを経て、2015年4月から現職。財務省財務総合政策研究所上席客員研究員、経済産業研究所コンサルティングフェロー。会計検査院特別調査職。日本財政学会理事、鹿島平和研究所理事、新時代戦略研究所理事、キャノングローバル戦略研究所主任研究員。専門は公共経済学。


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Twitter:@DeficitGamble

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