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神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」

大手コンビニ加盟店オーナー、悲惨な「奴隷労働」の実態!本部の横暴&搾取で借金まみれ

文=神樹兵輔/マネーコンサルタント
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 しかし、コンビニ加盟店契約における売上原価には、商品廃棄分や盗難・紛失分が含まれません。したがってコンビニ店舗の粗利益は膨らむことになるのです。粗利益が多ければ儲けにつながると思われがちですが、ここからして違うのです。粗利益に対して本部のチャージ率が30~76%にも及びますから、商品廃棄分が多く万引きや紛失の多い店であっても、本部は痛くも痒くもないという、トンデモ会計なのです。
 
 チャージ率に差があるのは、加盟店契約内容によって差があるからです。オーナーが店舗の土地や建物を自分で用意した場合には、粗利益に対して30~43%ですが、土地や建物を本部名義で借りる場合や水道光熱費も負担してもらう場合などでは、50~76%にも及ぶのです。

 本部は販売機会ロスがないように、加盟店に多めに商品発注させ、賞味期限切れの食品はどんどん廃棄させます。もちろん、値引き販売などで見切り処分することは事実上許されません。こうして加盟店主の取り分は減り、おまけに毎日の売上送金を厳守させられ、手元残高がなくなり、買掛金の自動融資が発生すると、いまどき高額の金利負担までさせられるのです。

閉店すると高額の損害賠償金発生

 そもそも本部は、加盟店からの発注をまとめ、商品仕入れを行います。商品を本部からコンビニ各店舗に配送しますが、その仕入原価は本部の定めたものになっています。本部はまとめて仕入れるため、かなりのバイイング・パワーで相当安く仕入れられるはずです。
 
 しかし、コンビニ各店舗が知らされている商品原価は、意外にも高いものになっています。本部が仕入れ原価に不当な利益を上乗せしているのではないか――。こうした疑念は当然で、本部は明快に答える義務があるはずですが、契約上はそれも認められていないのです。あくまで本部が決めた商品原価が仕入れ原価です。賞味期限切れ廃棄商品代が加盟店主持ちなら、商品仕入れ原価も本部の言いなりというわけなのです。

  加盟店になるには、たいてい家族2人(夫婦or親子)で働けることを条件に初期費用で500~700万円取られます。そのうえ、契約期間は最低10~15年を課せられます。儲かると思って、夫婦2人でアルバイトを雇って店を経営しようとしても、近年はコンビニでのアルバイトそのものが敬遠されます。特に中国人留学生の間では、覚えることややることが多くて面倒なアルバイトとしてクチコミで広がり敬遠される傾向が強まっており、日本人アルバイトを確保するだけでも大変な状況です。
 
 アルバイトが集まらなければ、店主やその家族が犠牲になるだけです。睡眠時間も削ってレジに立ち、商品補充と注文作業に明け暮れて、1日3食賞味期限切れの廃棄用弁当類を食べ続けなければなりません。疲れ果てて、夫婦や親子の会話もなくなり、離婚や別居、ノイローゼや鬱になったり、免疫力低下から体調を崩してそのまま入院という事例も散見する有様です。
 
 そこで契約を解除して店舗経営から撤退しようにも、辞めると数百万円の「損害賠償・違約金」が待っています。コンビニの地獄の連鎖に陥ると、辞めたところで高額金利の付いた買掛金の支払いと、解約違約金の借金で首が回らなくなるわけです。

「儲かっていた店」が一転、「儲からない店」に転落

 もちろん、全国に5万店舗を超えるコンビニ店舗があるわけですから、そんな地獄の連鎖に陥った店舗ばかりではありません。儲かって悠々自適の加盟店オーナーもいます。店舗は雇われ店長に任せ、3~4店舗と経営する加盟店オーナーもいるのです。

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