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アマゾンのビデオ・オン・デマンド、後発参入でも“意外な”勝機とは?既存サービスとの比較

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「U-NEXT」は新作タイトルも見られるのが特徴だが、その新作はPPV(ペイパービュー、有料コンテンツ)で、基本定額には含まれない。しかし現在、基本定額は1990円だが、毎月630ポイント付与され、このポイントでPPVタイトルを見ることができる。毎月1~2本の新作映画と見放題コンテンツも楽しめるというスタンスだ。コンテンツは日本国内の古いドラマなどもかなり豊富に揃っており、多くのユーザーが満足しやすいものになっている。

 ただし、対応デバイスはiOS、Android、WindowsMacなどだが、Xbox360やWiiなどのゲーム機器では利用できず、「Hulu」よりも少ない。

アマゾンのビデオ・オン・デマンド、後発参入でも“意外な”勝機とは?既存サービスとの比較の画像3日本のテレビドラマにも強い「U-NEXT」。

●「Amazonインスタント・ビデオ」の特徴

 さて、これらに対して「Amazonインスタント・ビデオ」のサービスはどのようなものなのだろうか? 基本的に定額ではなく、タイトルごとに購入またはレンタルするスタイルだ。これはアップルの「iTunes Store」と同じだ。「Amazonインスタント・ビデオ」のコンテンツはまだ多くないが、今後急速に充実してくるだろう。

アマゾンのビデオ・オン・デマンド、後発参入でも“意外な”勝機とは?既存サービスとの比較の画像4「Amazonインスタント・ビデオ」。新作映画『パシフィック・リム』(ワーナー・ブラザース)もすぐに提供された。

「iTunes Store」に対するアドバンテージとして、アマゾン得意のディスカウントセールが頻繁に行われ、有名なタイトルであっても手頃な価格で買いやすい。そして、アダルトコンテンツも数多くのタイトルが並ぶ。

アマゾンのビデオ・オン・デマンド、後発参入でも“意外な”勝機とは?既存サービスとの比較の画像5圧倒的にアダルトタイトルが多い「Amazonインスタント・ビデオ」。

 そんな「Amazonインスタント・ビデオ」の弱点は、対応デバイスの少なさ。現時点ではWindows、Mac、iOSに加え、自社のタブレットであるKindle Fireシリーズだけだ。このKindle Fireは、北米ではある程度のシェアを持つものの、日本ではマイナーな存在だ。

 Kindle Fire と併せて普及させたいというのがアマゾンの狙いなのだろうが、Kindle Fire HDX(またはHD)で再生すると、ドルビーデジタルプラスを採用したサウンドシステムにより、リアルな音響効果を楽しむことができる。しかし、そのわずかなメリットのためにKindle Fire HDXを買って「Amazonインスタントビデオ」を利用する人が増えるとは考えにくい。

●「Amazonインスタント・ビデオ」の勝機はどこにあるか

 冷静に見ていくと、「Amazonインスタント・ビデオ」が日本で成功するのは難しそうにも見えるが、アダルトコンテンツの多さには可能性を感じる。そういう意味では定額サイトで、毎月多くのドラマや映画を継続的に見たいわけではなく、気の向くままにアダルトコンテンツを購入またはレンタルしたい人が対象になるだろうか。例えば、定期的にレンタルビデオ店でアダルトビデオをレンタルしているユーザーなどにはぴったりマッチするだろう。

 このあたりに日本での「Amazonインスタント・ビデオ」の成功のカギが秘められていそうだ。
(文=一条真人/フリーライター)

BusinessJournal編集部

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