全国で映像・音楽ソフトのレンタルサービスを展開する「TSUTAYA」が、月額1000円(税別)で旧作DVD借り放題・動画見放題の新サービス「TSUTAYAプレミアム」を10月2日より全国約800店舗で開始した。
近年、NetflixやHuluといった月額制オンラインストリーミングサービスなどの登場により、DVDレンタル市場は縮小の一途をたどっている。一般社団法人日本映像ソフト協会が2017年4月に発表した「映像ソフト市場規模及びユーザー動向調査 2016」によれば、映像ソフトレンタル市場規模は10年連続で減少し16年は1,831億円。一方、有料動画配信市場は算出開始の13年は597億円だったが16年には1,256億円まで成長している。
そんなレンタル不況のなかで打ち出された「TSUTAYAプレミアム」。すでに月額DVD/CDレンタルサービス「TSUTAYA DISCAS」や動画見放題の「TSUTAYA TV」などを展開しているTSUTAYAだが、今回新たなサービスを導入した狙いはなんなのだろうか。
「TSUTAYAプレミアム」の出だしは好調
まず、TSUTAYA広報に新サービス開始の背景や特徴などについて話を伺った。
「現在、生活はスマホベースになってきており、ネットの世界ではサブスクリプション型、いわゆる月額制のサービスが増えています。また弊社では時代に合わせて動画配信を古くからやっていますが、今使っていただいているお客様の顧客価値を考えたときに、お店でも借り放題で、さらにネットでも動画見放題のほうが、顧客価値は高いだろうということで『TSUTAYAプレミアム』の話が持ち上がりました」(TSUTAYA担当者)
1年ほど前に一部の店舗で実験的にサービスを開始。すると意外にも女性の申込者が多く見られたそうだ。
「実験開始前は、ヘビーユーザーが利用することで売り上げが減少するのではという懸念がありました。しかし、実際に申し込みいただいたのは、ライトユーザーや少し足が遠のいていた方々が多かったのです。なかでも、30代から40代の女性が多く利用してくださっていたことや、TSUTAYAのお客様は映画が好きな方が多く、作品の品揃えには敏感なので、一般的な定額配信サービスの品揃えでは満足できないと判断して、正式なサービスとして導入することとなったのです。現在の入会者を見ても若干女性が多い状況です。また、30代から40代の男性も多数お申込みいただいています」(同)