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『モンテ・クリスト伯』ストーリーが理解しにくいという致命的欠陥で視聴率5.1%も納得

文=吉川織部/ドラマウォッチャー

 ディーン・フジオカ主演の連続テレビドラマ『モンテ・クリスト伯
―華麗なる復讐―』(フジテレビ系)の第1話が19日に放送され、平均視聴率は5.1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だったことがわかった。

 筆者は今期、あえてすべてのドラマについて事前知識を入れずに初回を視聴することにしており、本作についても同様に第1話の視聴に臨んでみた。初回を見終わってまず頭に浮かんできたのは、「で、モンテ・クリスト伯って誰なの?」という素朴な疑問である。エンドクレジットを見て、そもそも原作が『モンテ・クリスト伯』という小説であることはわかったが、そんな小説は知らない。ドラマ公式サイトを見て初めて、日本では『巌窟王』の名で知られる有名小説のことであると知った。

 とはいっても、筆者は『巌窟王』自体を読んだことがなく、ドラマ視聴後にインターネットで検索してあらすじを知った程度である。もしも、『巌窟王』を読んだことがあり、なおかつこのドラマがそれを下敷きにしたストーリーだと知っていれば、少しは展開も理解できたことだろう。裏を返せば、そうでない人には、どこに向かっているのかわかりにくいドラマだったということになる。

 一言であらすじを説明しておくと、ディーン演じる水産会社の船員、柴門暖が無実の罪で逮捕され、外国の刑務所に収監された――というのが第1話の展開。周りでいろいろ起きるが、基本的にはこれだけである。原作に則っているとすれば、第2話以降は15年後に生還した暖が自分を陥れた人物たちに復讐を果たすストーリーになるはずだ。いわば、第2話からが本編で、第1話は主人公の背景を語るプロローグということになる。

 ただ、事前知識をそれほど持たず、“ディーン様”がかっこよく活躍するドラマかと思って軽い気持ちで観た視聴者にしてみれば、そんなことなど知る由もない。まったく似合っていない普通の青年役であることはまだいいとしても、彼が外国に送られてひどい拷問を受け、やつれきって牢獄に一人横たわるような展開になるとは思いもしなかったはずだ。極上のディナーを楽しもうと思ったら、乾ききったパンと腐りかけの牛乳が出てきたようなものである。

 これで、「第2話からは“ディーン様”が華麗に復讐しますよ」と言われたところで、果たして視聴者はついていけるだろうか。初回の終わり方も、いわゆる「引き」が弱く、次回に期待を持たせるようなものではなかった。このままでは、視聴率は悪化の一途をたどってしまう可能性すらある。

 復讐ものである以上、主人公が理不尽にやられる展開が必要なのは確かだ。それがないと主人公の行動に正当性がなくなり、ただの犯罪者になってしまうからだ。だが、ドラマの構成としてはもう少し違う手法があったのではないか。

 ありがちではあるが、悪党を華麗にやり込めるディーンの姿を冒頭に描き、ある時点で過去の回想に戻る構成であれば、もう少し視聴者に親切だったと思う。ディーンのかっこいい姿が後々登場するとわかっていれば、漁師の青年パートも我慢して観ようという気になったはずだ。

 情報によれば、生還した暖は「モンテ・クリスト真海」と名を変えて活動するらしい。怪しげな日系人を演じるからディーンがキャスティングされたのかと納得ではあるが、全体的に荒唐無稽な感じは否めない。ドラマなのだから少しくらいぶっ飛んでいてもかまわないが、無理に現代にする必要があったのかとも思う。余計に経費が掛かってしまうので現実的ではないかもしれないが、時代背景を戦前に設定して翻案したら、もっとストーリーがしっくりくるような気がする。今さら言っても仕方ないことだが。

 第2話以降で視聴者を呼び戻すことがあるとすれば、ディーンがひたすらかっこよく敵に立ち向かい、やられたりやり返したりを繰り返していくほかにはない。原作のタイトルを堂々と名乗った以上は、あっと言わせる内容で挽回してほしい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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