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山崎俊輔「発想の逆転でお金に強くなる『お金のトリセツ』」

老後に死ぬまで好きな趣味を、思う存分楽しむための“お金の貯め方”

文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表
老後に死ぬまで好きな趣味を、思う存分楽しむための“お金の貯め方”の画像1「gettyimages」より

予算を管理できないからこそ趣味なのだ、と趣味人は豪語するが、それでいいの?

 いきなりですが、私はオタクです。アニメもマンガもゲームも好きで、どんなに少なく見積もっても、1000万円以上はこの世界にお金を払ってきました(月3~4万円くらいを22歳以降はずっと使っていて、学生時分も月1万円は使っていたので、累計すると1000万円は軽く超えるという計算)。

 今回、自分でも概算してみてちょっとギョッとしましたが、特に後悔はしていません。むしろ新しいマンガを読んだときの幸福感といったら、たまらないものがあります(特に新人のすごいマンガをみつけたときの高揚感といったら!)。新作アニメも何年かに一度「これはすごい!」という作品をみつけられれば、十分元が取れていると思ってます。

 しかし、私はファイナンシャルプランナーでもあります。お金の専門家と名乗っている以上、オタクのお金の使い方についても語らなくてはなりません。

 趣味にどっぷりハマった人は、「予算のリミッターを振り切ってようやく趣味人といえる」とうそぶきます。使いすぎの予算の言い訳なのですが、そこまでハマっているのかと感心され、趣味の世界では褒め言葉をもらうこともありますが、やはりこれはマネープランの観点では間違っていると思います。

 今回は、しっかり趣味と向き合いながら趣味に関するお金の問題を考えるヒントを紹介しましょう。

趣味にかけている予算を把握し、コントロールするクセをつけよう

「趣味は無駄遣い!」として断じて、コレクションを売って笑い飛ばしたり、趣味の予算を認めないような人がいますが、私は反対です。趣味は大いに楽しんでもいい、というのが私のオタクFPとしての基本スタンスです。

 ただし、趣味にかけるお金はそれなりのコントロールが必要です。まず大前提としては、「収入を上回る支出にならないよう趣味予算はコントロールされなければいけない」ということです。

 あなたがどんなにハマっている趣味があったとしても、そしてそれが金のかかる趣味だったとしても、自分の稼ぎと貯蓄を超えての出費だけはいけません。これは借金をつくるだけであり、早晩あなたの人生は詰みます。

 カネがかかる趣味なら何カ月かガマンして貯めて買うというように、予算管理をしなければいけません。

 そして「(手取りの収入)>(生活費+趣味予算)」の範囲に必ず収めなければいけませんし、むしろその状態を維持し、「趣味以外」のお金のやりくりも健全にしていく必要があります。

 ただし趣味人の選択肢としては「生活費+趣味予算」の合計でやりくりすればいいわけですから、趣味予算を増やしたいなら、生活費を下げる、という方法が残されています。

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

1972年生まれ。中央大学法律学部法律学科卒業。企業年金研究所、FP総研を経て独立。個人の資産運用や老後資産形成のアドバイスが得意分野。日経新聞電子版やYahoo!ニュースなど多数連載を持つ。月間PVは200万以上。
フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャルプランナー
financialwisdom

Twitter:@yam_syun

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