マンション、見かけ上の安さに騙されるな!専有面積圧縮や耐震性&遮音性ダウンで最悪も
首都圏の新築マンションにようやく価格低下の動きがみられるようになってきました。不動産経済研究所によると、2008年のリーマンショック後に価格が低下、12年には4540万円まで下がりました。それが、13年以降上昇に転じ、15年には5000万円台に乗せ、17年には5908万円と6000万円に迫る勢いでした。ほぼ5年の間、新築マンション価格は上がり続けてきたのです。
なぜ下がっているのか理由を見極める
それが18年に入って流れが変わりつつあります。平均価格がようやく少しずつ下がり始めているのです。不動産経済研究所がまとめた18年度上半期(4月~9月)の首都圏新築マンションの平均価格は5762万円でした。17年度の上半期平均に比べて3.8%の下落です。17年暦年平均の5908万円に比べてもかなりの低下です。
でも、「ようやく下がってきたか」と飛びつくのは失敗のもとかもしれません。なぜ安くなっているのかを見極める必要があります。これまでの新築マンションと質量ともに内容が変わらない、あるいは上がった上で、価格が下がっているのであればそれは歓迎すべきことですが、実は、そうではないケースが多いのです。
たとえば、質量の質の面では構造や設備などの面での引き下げが行われていないか、量の面では専有面積が狭くなっていないかなどをチェックしておきましょう。
首都圏の新築マンションでは契約率60%台が続いています。70%が好不調のボーダーラインといわれますから、依然として厳しい環境が続いています。その契約率を少しでも高くするため、不動産会社はそうした姑息な手段によって価格を下げようとするケースが続出する可能性があります。
土地代、建築費、人件費ともに高止まり
というのも、新築マンションをめぐる環境をみると、分譲会社にとってはコストが膨らむばかりで、簡単には価格を下げられる環境ではないことがわかります。
新築マンションの価格構成をみると、大きく分けると(1)土地取得費、(2)建築費、(3)不動産会社の経費・利益――の3要素から成ります。しかし、この3要素、いずれも値下げできるような状況ではないのです。