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松崎のり子「誰が貯めに金は成る」

確定申告、注意すべき3つの変更点…今年からスマホ申告が可能に、税務署でID発行

文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト
確定申告、注意すべき3つの変更点…今年からスマホ申告が可能に、税務署でID発行の画像1「gettyimages」より

 確定申告のシーズンがやってきた。勤め人なので税金のことは会社にお任せ、という人は多いだろうが、なんらかの事情で自分で申告をしなくてはいけないという人もいるだろう。ここ数年、税制や手続きは様変わりしている。久々に手続きするという人のために、以前と変わった点をおさらいしておこう。

 ちなみに、会社員でも面倒くさがって年末調整で生命保険料控除の書類を出さなかったり、ふるさと納税のワンストップ特例制度を使わなかったり、あるいは自治体への申し込みを忘れていたりした場合は、やはり確定申告をしないと税の軽減は受けられないので注意。

注意すべき3つのポイント

(1)医療費控除をする際の領収書提出が不要になった

 初めて確定申告をしたのは医療費控除を受けるため、という人は多いだろう。年間10万円を超える医療費(あるいは年間所得金額が200万円未満の人は、所得金額の5%の金額)がかかった場合、自分で申告すれば税金が戻ってくる。以前は申告書と一緒に医療費の領収書を提出する必要があったが、平成29年(2017年)分から不要になった。

 その代わり、「医療費控除の明細書」を書いて添付する必要がある。医療を受けた人の氏名、病院名や薬局名、医療費の区分(診察費・医薬品購入など)、払った医療費の額、民間の保険などで補てんされる金額などを書く。面倒くさそうだが、国税庁が雛型や記入例を公開しており、それに従って書いていけば大丈夫だ。あるいは、国税庁サイト上の「確定申告書等作成コーナー」でも作成可能だ。なお、健康保険組合などから送られてきた「医療費のお知らせ」があれば、それを添付して明細書の記載を省略することもできる。

 領収書の提出は不要になったとはいえ、5年間は保管が必要ということなので、捨てないでほしい。付け加えると、不妊治療も医療費控除の対象になる。治療費が高額になり、家計への負担が大きいだけに、ぜひ制度を利用して還付を受けてほしい。

 なお、もし医療費控除の申告をするなら、ふるさと納税も自分で申告が必要になるので忘れずに。

(2)医療費控除の種類が増えた

「年間10万円も医療費がかかってない」という人にも医療費控除のチャンスはある。平成29(2017)年からスタートした「セルフメディケーション税制」という医療費控除の特例制度を利用する方法だ。この制度の対象になる特定一般医薬品(箱に“セルフメディケーション税控除対象”などのマークがついている)を年間で1万2000円以上購入した場合、それを超える金額が控除の対象になる(8万8000円が上限)。

 ただし、控除は「健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組」をすることが条件だ。具体的には、健康診断や予防接種などを受け、その際に発行される「領収書」または 「結果通知表」を提出する必要がある。

 ただし、従来の医療費控除との併用はできない。昨年は病院に通うより市販薬をかなり買ったという世帯なら、一考してもいいだろう。どちらがお得かをシミュレーションできる、日本一般用医薬品連合会などのサイトをのぞいてみるのも得策だ。

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。生活情報誌等の雑誌編集者として20年以上、マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い方にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。
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