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5G、人体への悪影響が相次ぎ報告…専門家が危険性を指摘、反対運動広まる

文=水守啓/サイエンスライター
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「gettyimages」より

我々は多量の電磁波を浴びている

 我々は日々、さまざまな電磁波を浴びている。自然由来の電磁波もあれば、人工的な電磁波もある。前者には、太陽光、雷、シューマン共振などがある。我々が可視光線域で認識している太陽光は、地球の外から降り注ぎ、この世界に生命を誕生させる源であり、我々にとって不可欠な電磁波である。雷は、地上における電磁波の源で、雲と雲との間、あるいは雲と地上との間の放電現象によって光と音を発生させる。

 また、シューマン共振は、地球の地表と電離層との間で極極超長波 (ELF) が反射を繰り返し、その波長がちょうど地球一周の距離の整数分の一に一致した定在波で、周波数は約7.8Hzである。そのエネルギー源は雷の放電や太陽風による電離層の震動だと考えられている。電気が普及するようになった19世紀後半まで、電磁波の源といえば、これらが主だったものだった。

 だが、我々はものの百数十年で地球環境を変化させ、人工的な電磁波を爆発的に増やしてきた。上空だけでもたくさんの人工衛星が地球を周回しており、その約2000機が稼働中といわれ、GPSやテレビ、携帯電話、気象観測、軍事目的等で電磁波(電波)を発生(あるいは反射)させているが、地上では電磁波の発生源は無数にある。テレビ・ラジオの送信所や携帯電話の基地局からの電波や、高圧線が発する電磁波だけでなく、職場や家庭において多くの電化製品がさまざまなレベルで電磁波を発生させている。

 高圧線や家庭用コージェネレーションシステムが生み出す低周波の電磁波など、健康への悪影響は数多く報告されているが、個人的に体験しない限り、多くの人は無頓着でいる。電磁波が雲や霧のようなものとして可視化できれば良いのだが、残念ながらそのようにはいかない。わずか百数十年の間に、身の回りに数えきれないほどの電磁波発生源を抱え込むことになった我々は、もはやどの発生源がどの程度自分の健康に悪影響をもたらしているのか、判断することはほぼ不可能になっているといえるだろう。実際のところ、ヒトの健康には、生活環境や食事・睡眠・運動を含めた生活習慣、思考習慣など、さまざまな要素が複雑に関係してくる。

 基本、抵抗力の弱い一部の人々だけが、電磁波の影響を敏感に受け、体調不良や病気に至る可能性はあると考えられるが、もともと抵抗力が弱かったのか、不相応な環境や習慣から抵抗力を失ってきたのか、特定の電磁波源から影響を受け続けたから抵抗力を失ってきたのか、そのあたりの判断も難しい。電磁波過敏症の人々がやるせない思いをするのも、そんな事情があるからだと思われる。

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