NEW
ジャーナリズム

国会を「桜を見る会」追及で浪費し“税金200億円を無駄”にした野党こそ国益を損なっている

白川司/ジャーナリスト、翻訳家
【この記事のキーワード】

, , ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
【完了】国会を「桜を見る会」追及で浪費し税金200億円を無駄にした野党こそ国益を損なっているの画像1
2019年 安倍首相主催「桜を見る会」(写真:アフロ)

 なぜこんな馬鹿げたことがまかり通るのだろうか。第200臨時国会が12月9日に閉幕したが、もともと今国会が召集される前には、野党は「次は関電国会だ!」と息巻いていたはずである。実際、関西電力にまつわる金品受領問題は、国の電力政策の根幹、特に原子力発電にかかわり得るものだけに、深く追及するに値する可能性はあった。

 それだけではない。国民民主党の森裕子議員が「自分の国会質問が漏洩した」と主張して追及チームまでつくったり、萩生田光一文部科学大臣の「身の丈発言」を追及しようとするなど、あたかも法案審議を度外視するかのごとく、政権への対決姿勢ばかり強めていた。

 そんななか、11月8日の共産党・田村智子議員の参院予算委員会での質問をきっかけに、「桜を見る会」一色になって、召集前に挙がっていた争点はどこかに飛んでしまった。

 田村議員の質問には、ポイントが2つあった。ひとつは、これまでの桜を見る会より規模が大きくなっており、税金が無駄に使われたのではないかという点。もうひとつは、桜を見る会が安倍晋三首相の後援会をもてなすために使われたのではないかという点である。公の目的で開催するべき桜を見る会を、首相が私物化したのではないかというわけだ。

 この質問は、政治資金規正法などに引っかかる可能性を浮かび上がらせて、政権を動揺させるクリーンヒットとなった。あとからわかったのだが、共産党の機関紙「赤旗」がこの問題を追っており、共産党側でこの問題が安倍首相自身の責任を問い、安倍政権を揺さぶれると判断していた。一方、政権側はこれまでの恒例行事だからと甘く見ていた節がある。

 この桜を見る会問題において注視すべき点は、ほかの野党が節操なく飛びついたことだ。

安倍首相の危機管理能力

 この問題に対峙した安倍首相の処理は迅速なものだった。

 田村議員の質問をきっかけに桜を見る会に対する批判が高まると、安倍首相は11月13日に翌年以降の同会の中止を決定。菅義偉官房長官は「人数や予算が拡大したこと」「招待の基準が曖昧であること」「決定のプロセスが不透明であること」の3点が中止の理由であると説明した。

 先に非を認めて、相手に攻め込ませないことを意図したものだろう。野党がこの問題で「いける」と手応えをつかんだとたんの肩すかしになった。

 11月20日に安倍首相の在任期間が2887日となり、桂太郎を抜き憲政史上最長となった。これまで森友問題や加計学園問題などいくつもの危機を乗り越えるなかで、危機管理能力が培われていたのだろう。野党がこの問題に集中することを察知して、手を打ったのだと考えられる。

 それに対して、その後の野党の批判は論点が定まらず、参加者名簿をシュレッダーにかけて隠滅したとか、前夜祭のホテルの料金が適切ではないなど、桜を見る会そのものではなく、重箱の隅をつつくような批判に陥ったのは、この安倍首相による早期の中止判断が功を奏したからだろう。官邸が一枚上手だったといえる。

盛り上がっているときだけ大きく報道

 桜を見る会についての国会質問は、実は田村議員の前にも2回なされている。1度目は5月13日に共産党の宮本徹議員、2度目は10月15日に立憲民主党の初鹿明博議員である。しかも、宮本議員は、行政指導を受けていたジャパンライフ創業者の山口隆祥氏が、桜を見る会の招待状を勧誘に利用していたことにも、すでに言及している。

 それなのに、このことをマスコミが大きく取り上げたのは、桜を見る会を野党が一致して争点にした今国会になってからなのである。しかも、マスコミがジャパンライフ問題を大きく取り上げると、野党はジャパンライフによるマルチ商法の被害者への聞き取り調査をして、さらにそれをマスコミが流すといったように、ちょっとした「お祭り騒ぎ」にしている。

関連記事