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岡田正彦「歪められた現代医療のエビデンス:正しい健康法はこれだ!」

マスク、効果は有効との研究結果…自分で簡単に「高性能マスク」をつくる方法

文=岡田正彦/新潟大学名誉教授
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マスクが市場から消えた」との報道が1月29日付米紙ニューヨークタイムズでなされました【注1】。原因はもちろん新型コロナウイルスの流行によるものですが、米国でさえも、という話なのです。同紙の指摘は「マスクがなくなって困るのは病院」「一般市民がマスクをするのは意味がなく、買い占めをやめよう」という2点でした。

 まず、マスクは有効なのかどうかという大論争に決着をつけたいと思います。テレビなどでよく識者から語られるのは、「ウイルスは微小でマスクの織り目をすり抜けてしまうため意味がない」「マスクは周囲に隙間ができるので気休め程度」といった内容です。

 ウイルスは基本的にヒトや動物の細胞の中でしか生きられません。そのため人から人へ感染するのは、患者のくしゃみや咳とともに空中に放出される霧滴に、ウイルスに侵された細胞片が混じっているからです。目に見えるほど大きな霧滴もありますから、マスクの効果を考える際には、これらをブロックできるかどうかという視点が必要なのです。

 実際、米国で行われた実験によれば、インフルエンザに感染した患者の咳で排出されるウイルスは、直径1ミクロンより大きい霧滴の中で58パーセントを占めていました【注2】。ちなみに1ミクロンとは、毛髪の直径の80分の1ほどです。

 等身大のマネキンに人間と同じように呼吸をする装置を組み込んでおき、ヒトが咳をした際の風量や風速を忠実に再現できる噴霧器で、霧状の食塩水を吹きかけるという実験も行われています【注3】。マネキンにはマスクを着けましたが、このとき「普通に着ける」「完全に隙間を塞ぐ」など、条件をいくつかに分けて実験が行われました。

 結果は明快で、マスクの隙間を完全に塞いだ場合は100パーセントの霧滴をブロックできましたが、普通にマスクを着けただけでは34パーセントに留まっていました。

 もっとわかりやすい実験も行われています【注4】。インフルエンザ感染が確認された407人の患者に協力を求め、2つのグループに分けた上で、一方には本人と家族にマスクと手洗いをしてもらい、他方には何もしないで生活をしてもらいました。その後、7日間にわたって、同居の家族にインフルンザが感染したかどうかを追跡調査したのです。

 実験後、マスクと手洗いをした家庭では、何もしなかった家庭に比べて家族間感染の割合が3分の1になっていました。ただし患者本人が発病したあと36時間以内に対応した場合に限ります。また手洗いだけでは効果が不十分であることもわかりました。

 やはりマスクは有効なのです。ただし市販されている不織布マスクは、病院で手術などを行う際、医師などのスタッフから患者へ感染するのを防ぐために使われるもので「サージカルマスク(手術用マスク)」と呼ばれています。したがって使い方によっては効果が期待できないことになります。