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テイクアウトだけでは売上10分の1…窮状のカフェがクラファンに踏み切った理由

文=後藤豊/フリーライター

 コロナ騒動で多くの業種がピンチに立たされている。中でも、飲食店は多くが休業を余儀なくされたり、「開店休業」状態だったりで、大打撃に見舞われている。歓送迎会で売り上げが高まる3~4月にもかかわらず客数はゼロ、家賃や人件費などの経費を支払うメドが立たず、「一律10万円の給付など雀の涙」という声も耳にする。

 そんな状況を打破するべく、クラウドファンディングで支援を募る店も増えている。

「以前からフラダンスに夢中で、ハワイアンカフェをつくりたいと思い、8年前にオープンしました。お店の利益ではなく、地域のコミュニティを大切にしたく、夫婦2人でやってきました」

 こう語るのは、千葉県市川市のハワイアンカフェ「プウホヌア」のオーナーである。ランチやディナーのみならず、ウクレレ教室やリボンレイ教室、ハワイアンバンドのライブも開催するなど、ハワイアン文化を知ってもらいたいとの一心で経営してきたが、コロナ騒動で売り上げが減少。2月末に「お店を存続する」との思いから、クラウドファンディングで支援を募ることを決意したという。

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「プウホヌア」の店内

「想像以上に厳しくなってきた3月末に日本政策金融公庫に借り入れの申請をしましたが、面談も待たされている状況で、融資が下りるのはまだまだ先です。その間の運転資金がない状況なので、恥も外聞もなくクラウドファンディングに踏み切りました」

 クラウドファンディングとは「インターネットを通じて自分の活動や夢を発信し、共感者や応援者から資金を募る」仕組みである。キングコングの西野亮廣が絵本『えんとつ町のプペル』(幻冬舎)の制作費をクラウドファンディングで1000万円以上集めたことで、そのシステムが広く知られることとなった。

 クラウドファンディングの支援者にはリターンがあり、プウホヌアの場合は以下の4コースとなっている。

【プラチナ】支援額10万円
オリジナルパンケーキ2枚・好きなトッピング2品・ランチチケット3枚セット

【ゴールド】支援額5万円
オリジナルパンケーキ2枚・好きなトッピング2品のチケット3枚

【シルバー】支援額1万円
ランチチケット1枚(ロコモコ、ポキロコモコ、タコライス、グリーンカレーなど)

【ブロンズ】支援額5000円
ドリンクチケット2枚(約50種類のドリンクから選べる)

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「プウホヌア」のオリジナルパンケーキ

 どのコースにも、オーナー夫婦からのお礼の手紙が添えられる。なお、チケットの有効期限は2020年5月15日~21年3月末日だ。詳細は「CAMPFIRE」のサイトで確認できる。

テイクアウト主体で売り上げは通常の1割に

 同店のクラウドファンディングの締め切りは4月30日。残り8日となった22日時点で85万5500円が集まっている。「地元の方やハワイアンファン、知り合いのミュージシャンなどからご支援をいただきました」というが、目標額である200万円の半分にも満たない。

「今はテイクアウト主体で営業しております。1日に多くて15食くらいで、通常の10分の1程度です。店を閉めるよりは、少しでも現金収入を得ようとの思いです」

 コロナ騒動の今こそ、みんなで助け合う時期だ。微力ながら、筆者も支援させてもらおうと思っている。

(文=後藤豊/フリーライター)

後藤豊/ライター兼タクシードライバー

後藤豊/ライター兼タクシードライバー

1966年千葉県生まれ。東京都内の中小会社でタクシードライバーを兼務するライター。競馬と野球をメインに、雑誌や書籍で執筆をしている。主な著書に『テイエムオペラオー伝説』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(ともに星海社、共著)などがある。

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