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石徹白未亜「ネット依存社会の実態」

『テラハ』木村花さんの死がネット社会に突きつける問い…「炎上=泣き寝入り」でいいのか

文=石徹白未亜/ライター
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木村花HanaKimura (@hanadayo0903) · Twitter」より

 本連載前回記事で、恋愛リアリティー番組『テラスハウス』(ネットフリックス)に出演していたプロレスラーの木村花さんが亡くなった件について、ネット炎上の実態や構図などを検証した。今回は、ネットの誹謗中傷への立ち向かい方や、手軽にできてしまう誹謗中傷の罪深さについて、考えていきたい。

ネットの誹謗中傷に声を上げる人は増えている

 誹謗中傷に対し、取り得る手段は「(1)誹謗中傷する側への対処」「(2)誹謗中傷された側の支援」の2つに大別される。

 しかし、(1)において、誹謗中傷する側の言論に対し法的な規制を入れていくのは「表現の自由」に抵触し、難しさもある。誹謗中傷のどこが表現なのかと私も思うが、現政権はコロナ騒ぎのどさくさに紛れて検察庁法改正案を通そうとするなど、日本国憲法の原則「三権分立」に隙あらば介入するくらいなので、「誹謗中傷に対する言論統制」が「政権にとって都合の悪い言葉の言論統制」に徐々に浸食していかない、とも限らない。

 一方で、(2)については現時点でも進捗が見られる。誹謗中傷の被害者が、投稿した人物の情報開示を裁判所に請求する仕組みを現状よりもっと短縮、簡素化できないか、総務省が見直しの検討を始めている。背景には、新型コロナウイルスによる誹謗中傷の増加もある。

 裁判には金銭的な負担もあり、たいていの人がそれまでの人生で一度も準備などしたことがないだろう。それを、誹謗中傷され、精神的に追い詰められて疲弊した状況でやらなくてはならないのは、非常につらい。裁判でさらに人間の嫌な面を見て精神的に疲弊し、赤字で終わるケースだってあるかもしれない。ただ、一方で、前回の記事で述べたようにツイッターで「誹謗中傷 裁判 体験談」などで検索すれば、その経緯、やり方まで詳細に説明している人もおり、誹謗中傷の相手に対し声を上げる人は増えている。

 今年の芸能界を見ても、「流産しろ」「放火する」などの誹謗中傷を受けていた川崎希氏が裁判を起こしている。「炎上=泣き寝入り」でいいのか、という気運は、少なくとも5年前よりは高まっているように思える。

「手間がかからない」誹謗中傷の罪深さ

 私事だが、コロナでテレビを見ても暗くなるだけだと、趣味として絵を始めたのだが、絵は本当に難しい。覚えなくてはいけないことがたくさんあるし、多少描いたくらいではさっぱりうまくならない。

 そこで思うのが、誹謗中傷の簡単さだ。体育座りをした人間を何も見ずに描くのは、知識や何度も手を動かす修練がいるが、ネット環境があり小学校中学年程度の語彙力があれば、SNS上で人を誹謗中傷することは今すぐ、誰にでもできてしまう。相手がどんな偉業を遂げた人間であろうと、有名人だろうと、相手がSNSさえしていれば、接点を持つこと自体はできる。

 一方、誹謗中傷に対し、完全に「どこ吹く風」ができる人など、かなり限られるはずだ。誹謗中傷された経験を持つ漫画家の井上純一氏はツイッターで「100%誹謗中傷してる方がおかしいんですが、それでもずいぶん傷つきました」と、きゃりーぱみゅぱみゅ氏は「誹謗中傷を気にするななんて難しいよ。芸能人だって1人の人間だよ忘れないで」と発信していて、どちらもとても率直な気持ちだと思う。

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