ビジネスパーソン向け人気連載|ビジネスジャーナル/Business Journal

このところ首都圏を中心にマンション価格の上昇が続き、なかには高くなりすぎたためにマイホームは諦めるしかない、賃貸で十分という人が増えているといわれています。でも、それでいいのでしょうか。たしかにマンション価格は上がっていますが、実は上がっていない住宅もあるのです。そこにスポットを当てれば、一気に視界が開けるはずです。
新築マンションは10年間で31.9%も上がっている
マンション価格、実際のところどれくらい高くなっているのか、図表1をご覧ください。これは、首都圏における新築マンション、新築一戸建て(いわゆる建売住宅)、そして中古マンション、中古一戸建ての価格が、それぞれにこの10年間どのように推移してきたかを示しています。
ブルーの折れ線グラフが新築マンションですが、10年前の2009年には4535万円だったものが、2019年には5980万円になっています。10年間で31.9%も上がった計算です。新築が無理なら中古マンションはどうかということになりますが、こちらも上がっています。オレンジの折れ線グラフがそうですが、2009年の2491万円が2019年には3442万円に、やはり38.2%の上昇です。中古マンションは新築マンション以上に上がっているのです。
首都圏の建売住宅価格は10年前より下がっている!
それに対して一戸建てはどうでしょうか。図表1ではグレーの折れ線グラフが新築一戸建ての建売住宅です。2019年の平均価格は3510万円で、新築マンションに比べると2470万円も安く、新築マンションの58.7%、6割以下の値段で買えるのです。しかも、注目していただきたいのは10年前の価格。なんと2009年の平均価格は3565万円でしたから、建売住宅はこの10年間、わずか1.8%とはいえ、上がるどころかむしろ下がっているのです。
中古一戸建てはどうでしょうか。こちらは、2009年の2988万円が2019年は3115万円ですから、やや上がってはいるのですが、10年間の上昇率はわずかに4.3%です。中古マンションの上昇率38.2%に比べれば、ほとんど上がっていないといっていいでしょう。
平均的な会社員ではマンションは買えなくなっている
この一戸建てに着目しない手はありません。たとえば、2019年の新築マンションの価格は5980万円ですから、全額ローンを組んで、金利1.0%、35年元利均等・ボーナス返済なしで購入すると、毎月の返済額は16万8806円です。